僕のものですからね扉を開いた先には目と口の型をくりぬかれ顔のついたカボチャとカブ。
部屋の机には複数のろうそく立てが置かれ、小さな火が揺らめいている。
金鹿の学級に入室したベレトは見慣れた教室の変貌ぶりに目を丸くする。星や月の飾りが天井からぶら下げられ、壁には墓地や遺跡の景色が書かれた絵が貼られている。
一体何事かと入り口で固まっているベレトを猫耳頭巾と肉球のついた手袋をつけたヒルダとウサギの耳頭巾と尻尾をつけたマリアンヌが出迎えた。動物をかたどった可愛らしいフードの下にヒルダは薄桃色、マリアンヌは水色の裾がふんわりしたワンピースを着ている。色違いだがお揃いのスカートである。そしてどちらも腕からお菓子の入った籠をぶら下げていた。
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