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    bare_nyan

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    bare_nyan

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    ワーがト…ロナバスでパロ書かないとじっくり煮込んでお雑煮にするよって言うので書きました ヴくんが11、大バが外見42、中バが外見18、小バが外見8です あとでタイトルと台詞の翻訳ふせに載せておきますね

    #バルクラ

    つ縺壹ty からェ繧by「できた!」
    我ながら見事な出来だと、満足そうに完成したシロツメクサの花冠を見る。花を集めるのを手伝ってくれたバルナバスには小さなほうの冠を頭に乗せてやる。
    「良かった、ぴったりだ。手伝ってくれてありがとうな、バルナバス」
    お礼を言うと何事か言ってにっこり笑った。多分うれしい、とかだろうか。越してきてから知り合った彼ら兄弟は外国の出身らしく、まだ幼いバルナバスは共通語を話せない。それでも身ぶりや手ぶりで意思疎通は出来るから仲良くなるのになんの支障もなかった。弟が増えたみたいで嬉しい。
    「やあクライヴ。今日もバルナバスと遊んでくれてありがとう」
    「ヨセフ!見て、バルナバスといっしょに作ったんだ。ヨセフにあげる!」
    花冠を差し出すと、ヨセフはびっくりしたように目を見開いた。
    「ごめん、もしかしてめいわくだった……?」
    「そんなことないよ。どんな王冠より、君が作ってくれたものが一番嬉しい」
    す、と跪いて頭を差し出してくる。冠を乗せてほしいということだろうか。その仕草が王子様みたいに綺麗でドキドキする。もしかしてほんとうに王子様だったりして。
    ヨセフたちは兄弟三人でずっとこの森で暮らしているらしい。末っ子のバルナバスと、年の離れた次男のヨセフ。長男のオーディンさんはもっと年が離れていて兄弟というより親子と言ったほうがしっくり来るような感じだが兄弟らしい。仕事があるのかあまり顔を出さないが、時折勉強を見てくれたりする。
    ジョシュアの療養のために此方へ越してきて。場所が変わっただけで、俺は変わらず一人だった。ジョシュアはまだ体調が安定せず入院が長引いていて、父上はお忙しいし、母上はもとより俺を嫌っているから俺を目に入れようともしない。学校でも余所者ということで俺に近寄ろうとする子はいなかった。
    独りは慣れていると自分に言い聞かせてみても、クライヴ・ロズフィールドという人間を見てくれるのは彼らだけで。毎日学校終わりに森へと向かう足を止められなかった。

    *****

    「ジョシュアが苦しんでいるのはお前のせいだ、この疫病神め!」
    母の手が頰を思い切り張る。痛みはあまり感じない。感じて泣いたところで母上の怒りに油を注ぐだけだから。何も言わずに、ただただ嵐を過ぎ去るのを待つしかない。その姿勢も今日の母上にとっては我慢ならないものだったらしい。腕を掴まれて玄関から外に放り出される。扉を見上げた時にはがちゃりと施錠される音。締め出されたと気付くのに時間はかからなかった。
    太陽はもうほとんど沈んでいるという時刻で、図書館で時間を潰すこともできない。大人に見つかれば、警察に引き渡されて両親が何か言われてしまうかもしれない。どこか、朝まで隠れられる場所。

    ふらりと立ち上がり靴もなく歩き出すクライヴを見送る者は誰もいない。月ですら。

    *****

    森に入ってすぐに、バルナバスとヨセフが駆け寄ってきた。
    「クライヴ!どうしたの、こんな時間に」
    膝をついて心配そうにクライヴを見上げるヨセフ。土で汚れた足が心配なのか、しゃがみこんで足を撫でるバルナバス。家族から得られなかった優しさに、クライヴの瞳から思わず涙が零れる。
    「ヨセフたちはどうして、俺にやさしくしてくれるの?家族じゃないのに」
    「家族じゃなければ優しくできないなんてことはないだろう?」
    君のことが大切で、大好きだからだよ、と。そんなことを言われたのは初めてだった。孤独で、母親にも疎まれてきたクライヴにとってこんな風に無償で愛情を与えてもらえるなんて、とてもじゃないが信じられることじゃない。
    「信じられないなら、家族になってしまえばいい」
    「俺が?ヨセフたちと?」
    「そう」
    俺でいいのかな、と考える間もなく二人に抱きしめられる。草花の匂い。夜だからなのか、二人ともすごく冷たい。でもそれが何故だが心地良くて、安心感に流されるままクライヴは目を閉じた。



    月明かりが照らす花畑でクライヴは眠っていた。顔色は異様なほど白いのに、ヨセフの膝に頭を預けたその表情は安堵と幸福に満ちていた。
    白く小さな花たちを、黒い甲冑に包まれた足が容赦なく踏みしめる。
    『に莉ow くな蠕ゥ隶ge?』
    『と縺t のん亥袖est み縺ェ縺st て代r か逡ir のにつキ縺re もな蝣アing』
    『と縺t しら梧─ent』
    かつて民に裏切られ封じられた漆黒の騎士王が自らの騎馬と共に森の外へと姿を消す。あの頃の民も、かつての国も最早存在しないのだから、外のヒトどもの中にはとばっちりだと感じる者もいるかもしれない。けれどお前たちは、私たちのいっとう大事なものを傷つけたのだ。一度ならず二度までも。ならば思い知れ、私たちの怒りを。

    『て代r ら蜷後e か譎e も陌ォct のな勁tion らてo繧nd』
    眠るクライヴの前髪をそっと払い、額に口付けを落とす。どちらにも温度のない、とても冷たい永遠の祝福だった。
    『とら縺セme ん縺上ly んち莨st、クライヴ』




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    bare_nyan

    SPOILERDLC2のネタバレを含みます/ロゴスヴくん/時系列はクリア後/後半はバルクラ
    御伽噺のその後で魔法が御伽噺となったのは、今から五十年ほど前のことだ。それまでは火や飲み水、洗濯物を乾かすことにすら魔法を使っていたという。生活の基盤が一気に失われたのだから、当然世界はそれなりに混乱したらしい。らしいというのは、この水の民の里では元から生活における魔法の依存度が少なかったことと、外界から隔絶された環境に置かれていたためだった。
    幻影魔法、ミラージュ。魔法が失われた日に当然消え去るはずだったが、どうしたことかそれは残り続けた。おかげで今日まで暮らして来れたが、外の世界も徐々に落ち着いてきたという。里を開き、少しずつ外と交流してもいいのではと言う意見も増えてきたが、何故ミラージュが未だ機能しているか分からない以上どうしようもない。記録によると魔法が失われた日に里の子供にお告げがあったらしいが、それも「必要ないと思う日が来たら合図をしてくれ」という曖昧極まりないもので里の皆で頭を抱える羽目になった。結局、祭を催して今まで守って下さってありがとうございますと名も正体も分からぬ存在に祈りを捧げたのだった。
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