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    kidd_bbb_g

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    kidd_bbb_g

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    ジャンケンで決める譲テツ。あとで直すかも。

    #K2
    #譲テツ
    #和久井譲介
    #ドクターTETSU

    ちょっと待て、とドクターは言った ちょっと待て、とオレは言った。
    「どうしました?」
     譲介はいまソファでオレの隣に座ってにじり寄り、オレのベルトに手を掛けるところだ。オレはその手を掴んで制止した。
    「まあ……お前ェ若いからな、カラダも込みの関係がいいんだろうな、ってのは、わかるぜ?」
    「嫌ですか?」
     譲介はしゅん、と眉を下げる。こういう顔されると、弱いな……。
    「ああいや、オレだってお前ェが嫌なわけじゃねえ。だがな、こんな年寄りひん剥いて楽しいわけねえだろ」
    「恥ずかしいんですか」
    「そういうわけじゃ……」
     若い譲介と比べれば確実に見劣りするだろうこの身体。譲介の前に晒すのは確かに気後れするものだ。そこは否定できない。だが肯定もしたくない。
    「じゃあいいでしょう? 僕も脱ぎますから」
     譲介は着ていたスウェットを脱ぎ捨てた。引き締まった上半身があらわになる。サバンナにいる野生動物のような、無駄なくしなやかな美しさだ。
     思い切りがいいなコイツ。そういえばオレはコイツの思い切りの良さ――胸に刺さったナイフをためらわずに抜ける度胸と反骨心が気に入っていたのだった。
     髪で半分隠れた精悍な顔がじりじりと寄ってくる。譲介はソファに片手をついたまま、少しずつオレを押さえ込むように体重を預けてきた。
     そこではたと気がついた。
    「この流れ、ひょっとしてオレが、その……『下』か?」
     譲介は座り直した。キョトンとした顔でオレを見る。
    「何か問題が?」
    「お前ェが一方的に決めていいもんじゃねえだろ」
     こうなった以上、正直どっちがどうなろうとそんなに違いはねえだろうが――親子ほども歳の差が有る若造相手に、心の中にわだかまるものがある。これは気持ちの問題、プライドのようなものだ。
    「僕は譲る気ありませんよ」
     揺るがない意思のこもった目がオレを見る。
    「お、おう……。じゃあせめてジャンケンで決めさせてくれ。勝った方が好きに決める。な?」
    「はあ」
     譲介とオレはかけ声とともに手を出す。譲介はパー、オレはグー。譲介が表情を輝かせる。
    「さ、三回勝負で……」
    「まあいいでしょう」
     二戦目の手は、譲介がチョキでオレがパー。
    「三点先取制……」
    「さすがにダメです。ほらさっさと脱ぐ!」
     譲介はタンクトップを勢いよくめくり上げ、強引にオレの腕を上げさせた。引き抜いたタンクトップをソファの向こうへ放り投げる。
    「さっきからあなたらしくないですよ、ドクター」
     続いて譲介はベルトを解く。手が速い。オレと譲介はオレのズボンのウエストを掴んで引っ張り合うことになった。
    「待て、おい!」
    「あんた、いま、敗けたばっかり、でしょっ!」
     力んだ声とともに、譲介はズボンを下着ごと引っこ抜いた。それきり、ひとの体をじっと見下ろしている。
    「なんだよ」
     オレは譲介の視線を受けつつなるべく平静を装っていた。譲介はと言えば。
    「なにが、ひん剥いて楽しいわけ無い、ですか……」
     顔を赤くして、何やら小声で呻いている。それから我に返ったという風に顔を上げた。
     両手で静かに、しかしかなりの力を込めて、譲介はオレの両肩を押す。仰向けに倒れたオレの上に譲介はのしかかった。
    「ドクター」
     譲介はオレの頬を両手で包み、顔を覗き込んだ。
    「なんだよ」
     譲介は答えないまま照れ笑いをした。指でオレの顔を撫でている。眉、瞼、鼻筋、唇と、やさしい手付きでなぞっていく。
    「そんなに嬉しいモンかね、オレが相手で……」
    「まだわかってない?」
     譲介は腰をオレの下腹に押し当ててきた。ジーンズの厚い生地越しに固い肉の感触がある。
    「……マジか」
    「マジです」
     ひとりごとの様に呟いたオレに対して、譲介はきっぱりと答えて、下を脱ぎ始めた。ひとの上に乗っかったままモゾモゾやっているのでうまく脱げず、譲介は結局ソファから降りて全部脱ぎ捨てて戻ってきた。締まらねえな。
     譲介はマウントポジションを取ってオレを見下ろす。オレは譲介を見る。譲介の脚のあいだでやる気を主張するものから視線を外しつつ。
    「ドクター。嫌じゃないって言うのなら、そろそろ覚悟決めませんか」
     譲介はよくわかっている。オレはこの期に及んで譲介とこういう間柄になるのを、まだ迷っている。プライドなんて見栄張った言い方をやめて白状するならば――ビビっている。
     譲介の目は、思い切りの良い男がとうに決断を済ませた目だ。その視線は、オレが逃げを打つことを許さない。
     譲介が身を屈めて顔を寄せる。噛みつくようなキスが決断を迫る。わかった、もうわかった。オレもいい加減腹をくくってやろうじゃねえか。
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