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    まどろみ

    @mdrmnmr00

    皆様の七灰作品が見たいので書いてます

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    まどろみ

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    恋シリーズの虎杖くん。本にするときにもう少し加筆したいとは思っている。

    とある少年の失恋「悠仁どうしたの?泣き腫らした顔して」
    「五条先生……」
    公園で一人涙を流す虎杖の前に、高校生の五条が現れた。
    「ナナミンに恋人ができてた……」
    「……もしかして灰原?」
    「えっ?」
    先ほどあの人が名乗ったものと同じ苗字に驚き顔を上げる。
    「先生、灰原さんと知り合い?」
    「そりゃもう、七海と一緒。僕の後輩だよ〜」
    いつも通りおちゃらけた様子に他意は見られない。
    「先生から見てナナミンと灰原さんは前世から恋人同士でしたか?」
    「いや?ただの同級生だったけど」
    「そうですか……」
    それならやはり、ナナミンを取られるのは納得がいかない。
    「でも、七海に恋人ができるならあいつだろうなって気はしてた」
    「…?」
    どういうこと?と続きを促すと、眉を下げ悲しそうに笑った。
    「七海のやつ、灰原が死んでから隣に誰も置かなかったから」
    確かに、ナナミンと横並びで立てる人というのは想像できない。自分は子供扱いされてるし、成人している猪野ですら守るべき後ろの人、五条は言わずもがな前に立つ人だ。隣に並んで立つ人があの人だといわれると、妙に納得できるものがあった。
    「灰原がまだいないなら悠仁にもチャンスはあると思ったけど、そっか、出会ってたのか」
    そうだとしても納得できないことがある。
    「五条先生」
    「なんだい」
    「ナナミンはどうして、最期にあんな綺麗に笑ってくれたんだろう」
    自分に向けられた笑み。あれを見た瞬間、自分が愛するあの人がまた自分を愛してくれているのではと錯覚した。そうでないとしたら、あの笑顔の意図はなんだったのか。
    「悠仁はさ、走馬灯って知ってる?」
    「死ぬ前に見るやつっすよね」
    「そ。で、走馬灯って噂じゃ幸せだった頃の記憶を見ることが多いらしいよ」
    ということは、つまり…。
    「俺のことを思って笑ってくれてたんじゃないってこと?」
    「それどころか、灰原の幻覚を見ていた節まである」
    「…それじゃあ」
    俺がバカみたいじゃんと拗ねると、五条は虎杖の頭に手を置いた。
    「恋なんてバカにならないとできないし、立ち向かうだけで偉いよ」
    頑張ったなーと頭を撫でる手は暖かかった。


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    recommended works

    nononoko1996666

    MOURNING呪詛師灰原②(前の話とはまったく続いていません)。
    自分に出来ることを精一杯やっていたら、呪詛師になってしまった灰原。呪術師の七海は灰原くんの邪魔ばかりしてる。
    明るい灰原くんはいません。酷い灰原くんはいます。
    あと激重七海はいます(七海視点)。

    別に灰原くんに呪詛師が似合うとかじゃなくて、完全な私の趣味です!書きたいとこだけ!
    暗転「………ぁ」

    「灰原っ!!!」

    必死に腕を伸ばすも届かず、名前を呼ぶことしか出来なかった。
    一瞬にして鉄骨が崩れ落ち、コンクリートの破片が辺り一面に飛び散る。
    灰原と依頼主が中に取り残されてしまい、焦りながら私が鉈を必死に振りかざしている間に、もう一人の依頼主が居なくなっていた事に気付けなかった。

    「どうか、生きていてくれ…」


    ✳✳✳


    縋るような灰原の泣き顔を、初めて見た。
    見開いた瞳からは止めどなく涙が流れ、腕に抱えている依頼主を見詰めている。

    「ねぇ、…あの当主って言ってた人、この子置いて逃げたんだ。…ねぇ、どうしてかな?」

    「考えるな灰原、こっちへ来い…早く」

    今回は嵌められたのだ。私達はあの当主という男に、2級に依頼する任務にしてはおかしいと感じていたというのに。
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