サクラサク恋テキストの最後の問題を解き終えシャープペンを置く。週末の今日は七海の家で二人、課題をしていた。先に終わらせた七海はというと、灰原の膝の上にいる。正確には、膝に頭を乗せている、いわゆる膝枕というやつだ。
そんな彼も乗った直後はこちらの顔を凝視していたが今は眠っている。あどけない顔が可愛いなと透き通る髪に手を通した。
「好きだよ…なんて」
直接伝えるにはまだ少し恥ずかしい言葉を口にする。だけど本当は。
「伝えるつもりはなかったんだけどな」
「どうして」
「うわっ!?」
起きてたの!?という言葉は眠たげな声に遮られる。
「私はずっと言いたかったのに」
「七海?」
「自覚したあの日からずっと言おうと思っていて、でも中々言えなくて、気づいたらきみはいなくなっていた。それからずっと後悔していた」
1084