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    69asuna18

    ドカメン:宗雨
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    69asuna18

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    お題サイト『確かに恋だった』様

    【キューピットは語る】
    1.いい加減くっつけ
    2.見てるこっちがハラハラ
    3.我ながら完璧な舞台設定
    4.照れ屋もここまでくると病気
    5.ようやくこの日が
    おまけの6.惚気は他でやってくれ
    (わたし/俺のおかげってこと忘れてない?)
    全部書けたらpixivにあげるつもり

    #ジョーチェリ
    giocelli

    6.惚気は他でやってくれ「おまたせ」
    そう言って出てきたのは、綺麗なお皿に守られたティラミスだ。
    「薫も、食っていくだろ?」
    隣に並んで座るチェリーにも同じ物が出された。けど、なんだか少し大きいように見える。気のせい?大人だから?恋人になったから…だろうか。


    例のお土産のクッキーを取りにジョーのお店に寄ったら、ちょうどチェリーも来ていた。カランと鳴るドアのベルに驚いたのか、まるで猫みたいにぴょんと跳ねてチェリーは真っ赤な顔で「み、ミヤか…」とホッと胸を撫で下ろしたのが見えた。

    「お邪魔しちゃった?」

    そういうと、チェリーは恥ずかしそうに口を噤んだ。一方ジョーは笑いながら「もうちょいあとでもよかったのになぁ」と言いながら、キッチンの奥へと入っていく。奥から、座って待ってろと言われてチェリーと2人で待っていたら、あっという間にティラミスが出てきたのだ。パクリと運ばれて来たそれを口へ。甘くて、ふんわりと苦い。口に入れたらほろりと溶ける美味しいデザート。「美味しいね」とチェリーに言うと、うっとりとした顔でそれを堪能していて。とても優しい顔で「そうだな」と答えた。



    あれから。
    ジョーもチェリーも相変わらずの犬猿の仲で。顔をあわせたら喧嘩をしている。けど、勿論変わった事もある。ジョーは、女の子達と話す回数が前よりも少なくなったし、女の子達と話していてもチェリーは辛そうな顔もしなくなった。だけど、ジョーは今も変わらずチェリーが誰かと話していると慌ててやってくる。まぁ…顔は怖くなくなった。あとは、2人で居る時の距離が少しだけ近くなった。たまにそっと手を繋いでいるのも見る。こっちが見ているのに気がつくと慌てて離れて、恥ずかしそうに叩いてみたりする。恥ずかしいならしなきゃいいのに、見ているこっちも恥ずかしくなってしまう。…でもそれ以上に、二人が特別な関係になったのが嬉しくて、なんだかこっちが幸せになったような気がした。


    「薫、ついてる」

    ジョーはチェリーの頬についたクリームを、優しく指で拭ってぺろりと舐める。そんな事したら、ママ怒るんじゃと思ったのに、チェリーも顔を真っ赤に染めるだけ。「なにすんだ、ドアホ…」って声もめちゃめちゃちっちゃい。

    前言撤回、いちゃいちゃするな二人のときにして。あと、二人はもう少し僕に感謝してほしい。そう思いながら、ミヤは残りのティラミスを少し慌てて口に運んだ。もうなんていうか、色んな意味でお腹いっぱいになりそうだったから。

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    mkm_ao

    MENU🍳「おまえとふたりで朝食を」A5/30ページ 2022/3/27発行
    掌編連作ごはん本。
    9話後、南城が桜屋敷邸に泊まり込みで薫の日常生活を手伝っている設定。
    両片想い→告白&両想いに至るまで。

    自家通販 https://mkmatome.booth.pm/items/3705681
    おまえとふたりで朝食を憂愁のカルボナーラ「来週には脚のギプスが外れることになった」
    「おお、よかったじゃねぇか」
     ランチ営業が終わるタイミングでシア・ラ・ルーチェに立ち寄った薫が診察の結果を告げると、虎次郎は破顔した。
    「リハビリは必要だがな」
     もう、おまえの手を借りずとも生活に支障はない——そう伝えれば、今度は眉間にシワを刻む。
    「うれしくないのか?」
     薫の指摘に虎次郎は「あ〜……」と相槌ともつかない声を漏らして厨房へと入り、「パスタでいいかぁ?」と間延びした口調で訊いてきた。
    「任せる」
     愛抱夢にボードで殴打されて負傷したあと、薫は一時的に実家に戻るか、手伝いを雇って自宅での生活を続けるかの選択を迫られた。そこへ「俺が手伝うよ」と虎次郎が名乗りを上げたのだ。確かに虎次郎ならば、薫を抱き上げて介助できる腕力があるし、気心も知れている。何より、美味い飯にありつけることが約束されているではないか。薫に否やはなかった。
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