猫を手懐ける3つの方法。ニェンはとにかく苛ついていた。その証拠にニェンの手で握りつぶされた煙草の箱は、ありえないほどの力のせいでひしゃげて破けていたのだった。
その理由はたったひとつ。
ルーサーに最近できた、パートナーの存在である。
ルーサーはつい最近、家の皆を集めて嬉しそうにこう切り出した。
「紹介しよう。私の妻だよ」
ルーサーに腰を抱かれ、ほよほよにこにこ笑っているのはふんわりとした雰囲気の、優しげな男であった。柔らかな笑顔が良く似合う。目元にはうっすら笑いじわがあった。
ランダルは「へ!?誰!?」と呟いてあまりのことに舌を噛みきり、セバスチャンはその舌が胸元にくっついて「うわ気持ち悪……」とつぶやいた。
ニョンはなにも考えていないような顔で「おめでとうございます、ご主人様」と平坦に言った。耳が少し上を向いているところからして、おそらく本心から祝っている。
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