愛してるよゲーム(クロパパ)「──愛してる」
皆が就寝し、静まり返った深夜のホテル内。二階一角のバーの中。それはだいぶ酔いが回ってきたクロックマスターが、ほんの戯れで溢した言葉だった。あまり深く考えず放った言葉だが──カウンター席の隣に座るミイラ父ちゃんが、正面を向いたまま全くの無反応である様子に、聞こえなかったかと……適当に流そうとした時だった。
静かに酒を口に含み、ゴクリゴクリと音を鳴らして飲み下したミイラ父ちゃんに、マスターさん、と名を呼ばれる。クロックマスターはそんなミイラ父ちゃんの一挙手一投足を横から眺めていた。その場にほんのりと緊張が走り、グラスを持っていたクロックマスターの手に力が籠る。ミイラ父ちゃんが口を開くのを見て、クロックマスターは心臓がドクリと跳ねた。
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