まどろみ 明浦路司の朝は早い。5~6時頃に目覚めて、軽いストレッチとジョギングを済ませると、帰宅後すぐ洗濯機を稼働させながら朝食を作る。
そんな司だが時折、起床が遅いときがある。
「ん……」
覚醒を告げる吐息。司の口から小さく漏れ出る。
普段なら目覚めてすぐ意識もハッキリするが、そういう日は目覚めも悪い。
昨晩、純からたっぷり愛されたその翌朝は気怠さが手伝ってぼんやりしていることが多いのだ。
重たい瞼を開ければ濃い琥珀の瞳が現われる。
その琥珀は揺らめいていて、まだ色濃く昨晩の情交を匂わせる。
スンと鼻を鳴らせば近くには嗅ぎ慣れた煙草と香水の匂い。
その匂いに誘われるようにして、隣にいる最愛へと手を伸ばす司。
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