満開の桜の下▽花見をするだけ
▽ぐだキャスギル
花見がしたい、と言い出したのが誰だったのか定かではないが、それに技術顧問達が揃ってやる気を出したのは確かだった。そして話を耳にしたらしい厨房組が腕を振るうと言い出し、祭好きの者達が騒ぎ出し、アイドル達がライヴをすると盛り上がり出したのを止めている間に花見の準備は整っていた。
そして当日。
「――わぁ……」
「ほう……」
目の前に広がる光景に、立香とギルガメッシュは並んで感嘆の声を漏らした。辺り一面、見渡す限りを埋め尽くす桜、桜、桜、……立香にとっては馴染み深い、淡い紅色をした桜の木が、寄り添いあうように列をなして見渡す限りを埋め尽くしていた。
『どうだい? すごいだろう?』
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