ふぁーすときっす【ゴスフラ】ふぁーすときっす
何故かフランクに好まれてしまった。
最初は他愛ない会話だったはず、あれは確か
"アンタのナイフってどんなの?"
から始まって、お互いに使用する武器が同じナイフだという事で少しだけ親近感が沸き、何となく会話に一体感が出たのがきっかけだ。
その後から、彼はまるで主人に尻尾を振る愛犬の如く、僕の後を着いて回るようになった。別にその程度なら軽くあしらえば問題ないのだけれど……。
―― とある日の霧の森
僕は何となく、森の中にいた。
その理由は相変わらずついて回るフランクを撒くためだった。
ただ、少し話が合っただけの僕に対し何をそんなに固執する理由があるのか正直分からない。24時間視界の端に彼の姿を見るのが少し煩わしいと言うのもあったけれど、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか彼は性懲りも無く僕を森にまで探しに来たのには驚いた。僕は彼の姿を視界の端に捕らえたなら慌てて足を速めるも、彼の若さとあの足の速さに僕はあっと言う間に追いつかれ、地面に転がるように飛びつかれた。
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