「レオナ先輩、好きです」
「は?」
「別にお付き合いがしたいとか思っているわけではありません。ですが、俺がレオナ先輩に近付く時には下心を持っているのだという事はお伝えしておきたくて告白しました」
「はあ……?」
「そういうわけで今後ともよろしくお願いいたします」
突然の爆弾発言をしてきたのはジャミル・バイパー、スカラビア寮の副寮長をしている二年生、大人しく真面目な優等生ヅラをしているが明らかに腹に一物抱えているタイプ。そういう能力のあるタイプが爪を隠している所も、若さゆえに隠しているつもりで隠しきれていない詰めの甘さが見える所も嫌いではない。むしろ気に入っている方だとは思っていた。それは仲良くなりたいという類の好意では無く、分厚く被った猫の下に譲れない何かを持っている男を一人の人間として好ましいと思っているだけの話。レオナと気が合うか合わないかは別として。
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