ワンライ『初日の出』『兎年』(2023/01/04) 大晦日。
ショーの最終確認が終わり、男女別れて更衣室へ入る。
事の発端は毎朝目にする情報番組の特集で、初日の出について扱っていたのをたまたま見た司の一言であった。
「今回の初日の出はどうやら、天候に恵まれとても綺麗に見えるのだそうだ」
「初日の出…行くのかい?」
「あぁいや…ただ、テレビでやっていただけだ。だからといって何かある訳では無い、ぞ…?」
途中まで話して、ハッとする。
何故今、大して関係も無いはずのことを類に話したのだろうか。
疑問に思いながらも、話の流れを作ってしまったのは自分なため何とか会話を繋げようと思考をめぐらせていた時だった。
「初日の出、かぁ…見たことないんだよね、僕」
「なに!?一度もか!?」
2784