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    AonoAster

    PROGRESS脱走被検体IF『MAVでなくても手は取れる』第5話『コンニチハオイソギデスカ』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分がキャスバルだったことは思い出したがシャア時代のことはほぼ覚えていない)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(クランバトル登録名『レッド・コメット』)が一時的な運命共同体をする話。

    中佐とコモリもいます。どこもCPではないつもりです。
    『MAVでなくても手は取れる』第5話『コンニチハオイソギデスカ』「もう自分でも気づいてそうだけど、君はある種の才能を持っているんだ」

    クランバトルから戻ってきた翌日の夕方。台詞の内容とは裏腹に、表面の焦げたケーキをつつきながら切り出したエグザベは物憂げに言葉を並べていた。この話をするのに乗り気ではないのだろう。次の言葉に迷っているようだったから、スバルは助け舟を出すことにした。

    「ジオンに来いと?」
    「そうだ、よくわかったな。……僕がソドンに戻れて、君の記憶が戻らなくて……というか行くあてがなくて、そして中佐が許せばだけど」

    前提の多さに思わず笑ってしまう。きっと彼にとっては遠い先のことなのだろう。自分としてはどうだろうか。おそらくかつてもそうしていたように、二手先三手先を読んで考える。ジオンに潜り込むというのは、復讐の事を考えるとそう悪い手段ではないように思う。戦争が終わった今は軍人よりもエンジニアなどの肩書きを得たほうがいいのかもしれないが、どちらにせよ協力的な伝手があるというのは都合がいい。
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