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    で@Z977

    REHABILIリハビリ用。グスに叱られた日のこと(ただのイチャイチャ)。全体的にふわっとしてる。別におつかいはしてない。
    はじめてのおつかい 初めてグースにハグをされた日を覚えているみたいに、初めてグースに叱られた日のことも覚えている。
     勿論それまでにも何度か注意をされたことはあって――それは例えばフライト中の命令無視からおれの偏食傾向まで程度は様々だったのだけど――冗談めかすこともなく本気で叱られたのはその日が初めてだった。

     叱られているのに抱きしめられていて、それはとても不思議な感覚だった。汗ばんだグースの腕が湿って吸い付いてきて、押し付けられた胸板で思い切り息を吸えばグースの匂いが鼻腔に広がった。そんな時までおれは頭のどこかでグースに抱きしめられている事実にドキドキしてしまって、けれど叱られたのだからグースはおれのことを――他の奴がおれに抱く感情のように――嫌いになったのかもしれないなんて悲喜こもごもだった。だけどやっぱりグースの腕の中はおれに安心を届けるものだから、謝罪の言葉を口にしなければならないということにも思い至った。おれは「ごめんなさい」のタイミングを計っていたけれど、グースの体温がいつもより熱くて、鼓動が早くなっていることに気づいてしまい、いつもと違うグースの様子を観察するみたいにしておとなしく腕の中に収まってみたりした。
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    で@Z977

    REHABILIリハビリ用。振られたマを慰めるグスの独白。弊グスの愛は重すぎる気がするけどマにとってはそれくらいがぴったりだから仕方がないね。
    あなたがいればそれだけで「おれ、グースがいれば、それだけでいいんだ」

     背中に回された小さな手のひらが、ぎゅうといじらしく力を強めた。指先がきゅっきゅと何度か蠢いて、俺の存在を確かめるみたいにシャツをくしゃくしゃにしているんだろう。
     マーヴェリックが今度こそと意気込んで付き合い始めた女とは結局上手くいかなかったみたいで、無論そんなことは幾度となくあって、毎度決まって「グースがいればいい」と泣き言を言い始める。付き合っては別れてを繰り返すマーヴェリックは、しかし決して軽薄なわけではなかった。マーヴェリックの行動原理はおおよそが「グースの幸せ」にあって、故に一見非道な行動も、俺に対して誠実であることの証左に過ぎなかった。
     マーヴェリックが女に好意を寄せられるのはあまりにも自然なことだった。将来有望なアビエイターだし、幾分か身長は低いかもしれないが、整った顔は老若男女に好かれる愛らしさがある。性格だって多少自由奔放すぎるきらいはあるが、行動力とバイタリティに溢れているのは好印象だろう。こんなにも優良物件なマーヴェリックは、だのに決まって別れるときは振られる立場になるばかりだった。見る目がない女だな、なんて腕の中の小柄な体を慰めながら胸を撫で下ろしている俺は、マーヴェリックの誠実さに対してどこまでも不誠実な男だ。
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