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    すだま

    PAST⚠️『ノイマンの航海日誌』ネタバレ有
    ⚠️オリジナルキャラ有

    ポイピク50番目の投稿です。
    昨年6月、Xに垢を作った当初、ディの独り言でできた話なのでテキストで出そうとしていました。
    絵を描き始めた為に放置していたのをドラマCDを反映し形にした次第です。ただただディがミリを好きだと唸っています。
    タイトルも曲名ですが、ディアミリを想いながら聴いていたのは伊藤由奈の『trust you』でした。
    ア・ソング・フォー・ユー 高台から海へと向かう冷たい風が吹き抜け、思わずジャケットの前を合わせていた。
     日中は強い日差しで焼けつくような暑さだったが、あたりが徐々に暗くなると急激に冷え込む。予測できない天候は、地上に降りたことを実感させた。プラントにはない生臭さの混じる潮の香りと高い空。流れゆく雲の隙間からは、半分に欠けた白い月が覗いている。
     
     オーブの首都、オロファトから郊外へ車で三十分程にある海沿いの居住区。夜間も騒々しい繁華街の脇道に逸れると、そこは人気のない暗がりで、しんと静まり返っている。
     ディアッカは小さな駐車場に車を止めると薄暗い細道を歩き、突き当りの雑居ビルの前で足を止めた。狭くて煤けた急な階段を降りると、左手に色褪せたポスターやステッカーが幾重にも貼られた黒い扉がある。ぐっと力を入れて扉を押し開ければ、途端に煙草の匂いが全身にまとわり付き、思わず顔をしかめていた。
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    ゴンサン=カッショクスキー

    DOODLEオシュロル いのち
    毎回スクショ貼り付けないで小説設定にすりゃあいいんじゃんっていう
    エルヘイム行く前までで想定してます
     ロルフが黙祷していた。あれ、今日はこいつ動物を狩っていなかったはずだけどなあとオーシュは密かに気になった。というのも、以前オーシュが鶏に変化した時のことだ。しれっとロルフが夕食に鶏を出してきたので気分が悪いだろうと突っかかったことがあった。その時に命をいただくことを意識するのは悪いことじゃないとロルフは言ったのだ。
    「お前は鶏になって、鶏の命の重みを感じるようになった。だが残してしまっては命をいただいてしまった鶏に申し訳がない。だからきちんと感謝して食べるんだ。どうしても後味が悪いなら祈ればいい。それが鶏への礼儀だ」
     いただきます。ごちそうさまでした。ロルフが毎度律儀にやっていることもその一つだと言う。オーシュは言われた通りにきちんと食べ、供養塔がないので天幕で静かに祈ってはみたが、しばらくは胃の中のものに不快感を感じずにはいられなかった。(吐いたら鶏に悪いよな)と左向きに寝転ぶことで胃の不快感が収まるのを待った。寝れる気にはしばらくなれなかったのを覚えている。
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