ゆず
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PAST昔書いた短編のまとめですゆやゆず/遊矢と零児 ※リンクスネタ
柚子はときおり遊矢を傍目で見ることがある。それは日々のふとした瞬間に向けられる、ほとんど無意識の眼差しであった。例えば、こうしてデッキの調整でカードを見つめている遊矢に、柚子の視線はそっと注がれる。
たぶん誰よりもそばにいる自信はあるのに、そのたびに柚子は遊矢を新鮮な気持ちで見つめてしまう。それはやはり遊矢が、何かと人目を引く存在感を放っているからかもしれなかった。
などと、柚子が考えていると、ふいにカードから視線を上げた遊矢の瞳とかち合ってしまった。
「何だよ、人の顔ジロジロ見て」
「べ、別に……」
「別に、ってことはないだろ」
穴のあくほど見といて、遊矢がむっと言い返したので、少し間をあけてから、顔を、と柚子は白状するように言った。
1590たぶん誰よりもそばにいる自信はあるのに、そのたびに柚子は遊矢を新鮮な気持ちで見つめてしまう。それはやはり遊矢が、何かと人目を引く存在感を放っているからかもしれなかった。
などと、柚子が考えていると、ふいにカードから視線を上げた遊矢の瞳とかち合ってしまった。
「何だよ、人の顔ジロジロ見て」
「べ、別に……」
「別に、ってことはないだろ」
穴のあくほど見といて、遊矢がむっと言い返したので、少し間をあけてから、顔を、と柚子は白状するように言った。
なまたまご
TRAININGコスメカウンターに居るやけ“とお客さんの新卒OLにょたんばちゃんの話4です。再会と恋の始動編2この話は、小ゆずさんによるやげんばの設定をお借りした三次創作です。
片側のオレンジは愛を知っている。俺とあの女とが落ち合うまでそう時間はかからなかった。やはり前回と違って仕事で使うもの、という制約がなくなった分、選びやすかったのだろう。俺と女はまたカウンターを隔てて向き合った。瞼に乗せられたアイシャドウをリムーバーで落とし、下地を指で広げる。
「もう大分お仕事には慣れましたか?」
「え、あ…そう、ですね。少しは。」
「同期で仲のいい人ができたり、」
「まあ一人、そういうのは。」
俺は女が選んできたパレットを手に取り、下地の色にブラシを立てた。
「それは良いですね。何かと仲がいい人がいた方が働きやすいでしょう。」
「…そいつに、化粧のやり方教わったんです。なんか、詳しいみたいで。」
俺は肩が少しぎくりとした。初めてにしては1ヶ月そこらでやけに化粧が上手くなったものだと思っていた。
4442「もう大分お仕事には慣れましたか?」
「え、あ…そう、ですね。少しは。」
「同期で仲のいい人ができたり、」
「まあ一人、そういうのは。」
俺は女が選んできたパレットを手に取り、下地の色にブラシを立てた。
「それは良いですね。何かと仲がいい人がいた方が働きやすいでしょう。」
「…そいつに、化粧のやり方教わったんです。なんか、詳しいみたいで。」
俺は肩が少しぎくりとした。初めてにしては1ヶ月そこらでやけに化粧が上手くなったものだと思っていた。
なまたまご
TRAININGコスメカウンターに居るやけ“とお客さんの新卒OLにょたんばちゃんの話3です。再会と恋の始動編1この話は、小ゆずさんによるやげんばの設定をお借りした三次創作です。
片側のオレンジは愛を知っている。運命の出会いと言っていいのかわからないが。初めて本心から可愛いと思ったあの女は、あれから店に来ていない。俺はサンタクロースの存在を未だ信じているガキが、12月のカレンダーを日々眺めるかのようにして、大抵の新卒がはじめての給料を貰う日を、その週の休日を待っていた。今思い返すと馬鹿らしい。
ゴールデンウィークも過ぎた店内は、冷房をつけていないと蒸し暑くなった。出来れば開店作業のあるシフトには入りたくない。俺は今日までに適当にマッチングアプリで繋がった女を二人抱いて、大人しそうで聞き分けの良さそうな客の女を一人抱いた。アプリで会った女は連絡先を消したし、客の女の方はそれとなく適当にあしらっている。平日のシフトは客の入りが穏やかなせいで余計なことを考えるから気が重い。
2192ゴールデンウィークも過ぎた店内は、冷房をつけていないと蒸し暑くなった。出来れば開店作業のあるシフトには入りたくない。俺は今日までに適当にマッチングアプリで繋がった女を二人抱いて、大人しそうで聞き分けの良さそうな客の女を一人抱いた。アプリで会った女は連絡先を消したし、客の女の方はそれとなく適当にあしらっている。平日のシフトは客の入りが穏やかなせいで余計なことを考えるから気が重い。
shiro
DONE【ゆずる少年の時恋慕】〈Vol2〉イラスト:シロ お話:土03様による
ゆずる少年×おねーさんのお話とイラストです。
土03様宅にて文章のみの表示出来ます。
https://privatter.net/p/9918776
Vol.1はこちらから→https://poipiku.com/1178028/8574081.html 18
なまたまご
TRAININGコスメカウンターに居るやけ“とお客さんの新卒OLにょたんばちゃんの話2。出会い編後半です。この話は、小ゆずさんによるやげんばの設定をお借りした三次創作です。
片側のオレンジは愛を知っている。俺とその女は、アイシャドウのディスプレイで候補を見繕い、カウンターに戻った。その候補に上がったのは3つのパレットで、それぞれブラウン、ピンク、オレンジを基調にしたパレットだった。俺に言わせるならもう答えは決まっている。ブラウンしかない。だが俺はあえてそれを口にせず、この女が恐る恐る手に取ったピンクのパレットと悩ましげな視線を送ったオレンジのパレットに手を伸ばし、ここへ持ち帰った。
「ご自分でお付けになりますか?」
「いや…お、お願いしたいんですけど…。」
「はい、かしこまりました。どちらから試されますか?」
「…茶色のやつ、で。」
「かしこまりました。では準備させて頂きますね。」
「お願いします…。」
俺は閉じられたあどけない瞼にベースを塗って、アイシャドウを重ねた。グラデーションを作り、瞼の上にハイライトを入れて、それとなく仕上げる。それから女に鏡を見せて、出来栄えと所感を聞いた。女は鏡を見た瞬間に、驚いて目を見張った。印象が変わった自分の顔が、まるで自分ではないように見えたのだろう。
3730「ご自分でお付けになりますか?」
「いや…お、お願いしたいんですけど…。」
「はい、かしこまりました。どちらから試されますか?」
「…茶色のやつ、で。」
「かしこまりました。では準備させて頂きますね。」
「お願いします…。」
俺は閉じられたあどけない瞼にベースを塗って、アイシャドウを重ねた。グラデーションを作り、瞼の上にハイライトを入れて、それとなく仕上げる。それから女に鏡を見せて、出来栄えと所感を聞いた。女は鏡を見た瞬間に、驚いて目を見張った。印象が変わった自分の顔が、まるで自分ではないように見えたのだろう。
なまたまご
TRAININGコスメカウンターに居るやけ“とお客さんの新卒OLにょたんばちゃんの話1。出会い編です。この話は、小ゆずさんによるやげんばの設定をお借りした三次創作です。
片側のオレンジは、愛を知っている。思い返せば、俺に初恋など無かったかもしれない。強いて挙げるとしたら、高校の文化祭で女装した自分だ。別に、ナルシストって訳じゃない。単純に、心から可愛いと思った記憶はそれくらいだったというだけだ。昔から、外を歩けば女の子みたいねと言われた。今でもその当時のアルバムを見返すと、言われなければ幼女に見える。さすがに成人もとっくに通り過ぎた今となってはそこまで女に見える、といった容姿ではないけれど、騙そうと思えばいくらだって簡単に騙せる。思春期で絶頂を迎えた中性性を失った代わりに、それを補える知識と技術を手に入れたからだ。その腕と頭で飯を食ってきて、もう数年になる。俺の人生の方向性を決めてくれた佐藤君には感謝が尽きない。彼の提案が無ければ、俺のクラス展示は女装喫茶にならなかったし、俺も自分の生きる道を知ることはなかっただろう。
4614neko120106
DOODLE誘拐IFのタレ飯。一度描いてみたかった。誘拐IF飯って日々の戦闘&ドーピングでタレゆずりのムキムキショタになってそうだね。タレは誘拐して飯を手中に収めたら手綱を離しそうでそういうとこ空に似てて罪深いな。飯は「ボクにはお前しかいないのにお前はそうじゃないんだな」ってどんどん病んでタレに依存して執着心強くなっていけばいいなと思います。 2
なまたまご
TRAININGラノベ作家大倶利伽羅さんと家事代行にょたんばちゃん⑦ドキドキ一緒にお風呂編前半です!ちょっとだけ雰囲気えっち。注:大倶利伽羅さんがダサい
この話はますおさん考案の設定を元にした三次創作です。エピソードのネタは小ゆずさんより頂きました。 3173