エルダー嫁妄想メモ2　エルダーじいじと嫁の間に愛はあったのかって言ったらきっとあった。ただエルダーが自覚できてなかっただけで。人間を好くなんて思ってなかっただろうし。嫁からの愛情矢印がデカくて多かったからのもありそう。
　(前回の妄言続き)
　屋敷で過ごしてる間に夫婦の営みもして嫁は子供を宿してた。そしてモブやら退治人やらに勘違い救出されて、町に戻ってから出産する。町の人ビビるだろうねダンピール産んだんだもん。昔だと吸血鬼とまぐわったとして差別や糾弾されることもありそう。それで嫁は町の外に逃げ出して、でも吸血鬼滅ぶべしな過激派によって殺されてしまった……とか。エルダーの所に戻っても良かった気もするけど、身重or産後の女性が行くにはキツすぎる道だったとか何かしらの理由で行けなかったことにしよう。

エルダー嫁妄想メモ　エルダーの嫁は人間だったと勝手に思ってる。吸血鬼の嫁だったら現代軸の話でもちらっと言及されてるんじゃないかと思うから。子供のダンピールはすぐに吸血鬼に転化して、彼ないし彼女の子供がマナー。自分が噛むことで一族が増えたエルダーの唯一の直系がマナーだったら嬉しい。先祖返り的なのでグールを操る能力が優れてたりしたらいい。

(以下妄想のいきさつ)
　若かりしエルダーがある時何やかんやで人間の女性を助けて、それをきっかけに彼女から好かれるようになった。吸血鬼だって言っても信じなかったのか、それでも構わなかったのか……とにかく好いていた。エルダーの方は大して気にかけてなかったらいい。でもあんまり彼女が好き好きついてくるから、エルダーが折れて結婚した。屋敷で暮らしてしばらく経った時、人間が屋敷に来る。退治人か怖いもの知らずモブかな。それでエルダーはグール使って殺そうとして、逃げる人間が嫁を屋敷内で見つける。捕らわれてると勘違いして嫁を外に連れ出して、以降エルダーと嫁はそれっきりになった……とか。嫁との再開では彼女が屍になってたらいいな。果たしてエルダーはグールにするのかしないのか。

家族旅行　白くけぶる霧雨が、落葉を濡らす。湖東三山の秋は早くも終わりを匂わすかのように、古い石畳の上は一面の赤い紅葉に覆われていた。
　坂の上から遠く響く鐘の音。この道の上の寺に花を活けに行ってきた帰りだ。昔馴染みの住職には、今もなにかと世話になる。
　キムラシゲルはうっそうとした秋の山道を一人下っていた。
　暗いグレーのジャケットに紺鼠のマフラー、その上に羽織ったコートが雨に濡れて色を濃くしている。
　シゲルはうつむき、帽子を目深に被るとゆっくりと足を止めた。
　愛用の杖をからだの前で両手でにぎり、静かに呟いた。
「私に用があるのだろう。待ってやっているうちに出てくるといい」
　ザッ…と森が揺れ、鋭い鳥の声が響く。バサバサと飛び立つ羽音。シゲルの言葉に応えるように一陣の風が吹く。赤い雨のように舞い落ちる紅葉…その向こうでシゲルがカッと目を見開いた。