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    キルト

    すいか寄りの召

    MOURNING【kmt*杏千】
    支部に投稿した(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14525846)の続きの書きかけのようなもの。途中まで書いたけど、これは前のを読んでくれた方々に自由に続きを想像してもらった方が生きると思ったので、供養。
    正午、起床してキッチンに向かうと、そこにはまだ兄上が目を覚ました形跡はなかった。やっぱり宇髄さんの言う通り、兄上は二日酔いになっているのだろうか。それとも、単純に疲れて眠り込んでいるだけなのか。
     両親もまだ帰ってはいなかった。ただ、こちらは帰宅するのは早くても今日の夕方と聞いているから別に不思議なことではない。そう大丈夫、時間はちゃんと進んでいるのだ。あと数時間もすれば両親は帰ってくるし、自分も、そして兄上もきっと笑顔でそれを迎え入れるだろう。自分たちの関係はこれからも何も変わらず、何も、変わらず。

    「……っ、……」

     やっぱり無理だった。
     ぼぅっとしていると否が応にも、昨夜の出来事が頭を過ぎって、心の内側がぐちゃぐちゃに掻き乱されてしまう。あの熱くて生々しい、兄上の手と舌の感触が肌の上に蘇って。自分では意識して触れたこともない場所を舌で擦られて、感情の整理も出来ないまま声を上げてしまった。それも、自分でも聞いたことのないような鼻にかかった声をしていた。その声を聞いた瞬間、兄上の口の端が笑うように上げられたのを見てしまった。あれは一体どんな気持ちだったんだろう。触れられた場所か 3267

    岩藤美流

    DONE散歩

    散歩というお題だったので、いつもの散歩の雰囲気でオルトくんに散歩してもらいました。ぼんやり考え事をしている時間も長いので、お兄さんについて考えています。早く友達できるといいね。
    「兄さん、僕、散歩に行ってくるね!」
     その声に「うん、行ってらっしゃい」という優しい返事が有る。いつもどおりの声だ、と感じるそのメモリーが”どちら”のものなのか、もう既にわからないけれど。オルトはするりと機械の身体を翻して、建物の外へと泳ぎ出た。
     足を持たない彼にとって、移動は泳ぐのとそう大差は無いと思う。泳いだことは今のところ無いが。明るい陽射しの下に出てすぐにすることは、外部情報処理のシャットダウンだ。
     校舎内でもそうではあるが、視覚情報はそれだけで膨大なものである。人間のように「ただの背景」と「見たい物」を分けるシステムが備わっていればよいのだが、生憎オルトにはまだその機能が正常に搭載されていない。絶賛イデアが改良を重ねているところだ。
     目に入った情報を全て認識し処理をすると高い負荷がかかる。例えば教室一つにしても、教卓、机、椅子、カーテン、窓と物質の見た目とその名前、その概念と構成物質……処理する範囲を抑えなければ、無限に情報は溢れてくる。そこに生徒が混ざれば猶更の事だ。それでも校舎内はまだマシである。通常の記録とその相違点だけをピックアップするようにすれば、情報処理す 3758