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    バッドエンド

    yuki

    DONEオリジナルの話です。胸糞悪いDV野郎が幼馴染をNTRされてバッドエンドで救いのない短編なので注意。
    季節は巡り、彼はただ凪ぐ本文
     さて、桜咲く四月のことです。東京ではもう桜は散り始めている季節ですが、東京よりも少し北のこの地方都市ではようやく桜が見頃を迎えていました。
     その桜舞う地方都市のとある高校ではその日新一年生の入学式が行われています。入学式は滞り無く終わり、まだあどけない顔をした初々しい一年生達は嫌がらせかと思う程の山ほどの教科書や学習教材を渡されて帰宅するところです。
     帰宅する学生たちで賑わう生徒玄関。その隅、下駄箱の隅で隠れるように一人の新一年生の女子が壁に持たれながらもぐもぐとお菓子を頬張っています。彼女は浮船 公海(うきふね くみ)と言います。背が低くふっくらとした、というよりはふくよかな体型と言った方が正しいかもしれません。そんな彼女が棒状の駄菓子を頬張る姿はいかにも「食いしん坊の女子」と言う姿で微笑ましいものでした。しかしその目は何処か虚ろで視線は床の一点をじっと見つめています。食を楽しんでいるというよりはひたすらエネルギーを蓄えているようなそんな険しい雰囲気でした。
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