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    パート

    merinowool133

    PROGRESS9月の新刊の冒頭部分。成人後の転セバ(闇祓い転×ホグワーツ教授セバ)で、二人が怪事件に巻き込まれたり、再びバディを組んだりする連作の予定です。
    ⚠️ほぼモブパートです。暴力、殺人、遺体の損壊、公序良俗に反する表現や描写を含みます。
    進捗 何重にも黒を編んだような、深い深い闇の中。それは唐突に目を醒ました。
     此処はどこだ。
     低く呻く。しかし声にはならない。それは唇や声帯、喉を震わせる器官を持っていなかった。沈む闇は底が無く、天地すら覚束ない。広いのか、狭いのか。それすらも分からぬ箱に、有象無象がみっちりと詰まっている。無数のざわめき、数多の囁きがごうごうと打ち寄せては遠のいていく。ただ延々と蠢いている。
     なんと不自由なことか。
     かつての己を手酷く罵ると、それは手足の無い身体を大きくねじった。何度か繰り返す内に、異物と認識されたらしい。それは有象無象の中心から、外界へと弾き出された。
     少々高い場所から落ちたが痛みはない。別れを惜しむほどの感慨も無く、土塊の転がる地面を腹這いに進んだ。細い風の音が聞こえる。これを辿れば外に出られるだろう。音を頼りに石壁に張り付き、隙間に身を滑り込ませた。
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    🍏🥝🍣現遂🍣🥝🍏

    PAST〈法庶04〉
    【ふたりハミング】
    いま見たら全年齢じゃなくて法庶だなと思った。
    あと、ほせ殿にサラッと高度な事?をさせてる気がする。
    通りすがりに一度聴いただけの曲、その場で覚えて、知らないその後の部分に即興で別パートメロディ作って一緒に歌うって……
    でも、この二人で歌ったら声とか意外と合いそうで妄想が楽しいです。
    徐庶が最初は法正の事が苦手だったって場面設定もあまりやってなかったかも
     「♪♩♬♩♫〜〜……」
     書庫の棚の前に立って資料整理をしていた徐庶は、何となく曲を口ずさんでいた。何日か前に街で耳にした演奏が印象的だったのか、メロディが自然と鼻歌になって出てしまう。沢山あった仕事が片付いてきて、気が抜けていたのかもしれない。
     ふと気配に気付いて横を見ると、いつからか通路側に法正が立っていて徐庶の方をじっと見ていた。外の光で若干逆光になった彼の姿に少したじろぐ。
     この人に鼻歌を歌ってる所なんか見られてしまうなんて……

     徐庶は法正のことが少し苦手だった。
     諸葛亮と彼の反りが合わず空気がギスギスした時は仲裁役になる場面もしばしば、用があって何言か言葉を交わしたこともある。しかしそれ以上はあまり関わりたくないと、苦手意識を持つ男だった。
    1964