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    ブラッド

    umemhyk

    DONE【1話前編】ブラッドリー×モブ(名前無し)の夢小説のようなものを初めての小説として書いてみました。

    もしもあなたが、違うかたちでブラッドリーに出逢ったら?
    真っ白な大地を背に飛ぶ魔法使いへの憧れ。胸の奥にあるそのきらめきを、盗賊は必ず見つけ出す。どこでどんなふうに生まれても、“太陽”はきっとあなたを照らしてくれる…

    そんな祈りを込めてこの物語をお届けします。
    名も無き花はひだまりに揺れて 一輪目・名も無き銀細工師 〜前編〜カランカラン。

    その魔法使いは前触れもなくやって来た。
    まるで私の旅立ちを見計らったかのように。

    漆黒と白銀の髪、射抜くような夕闇色の瞳。

    「ようじじい」

    「いらっしゃいませ…おお、これはこれはブラッドリー様。久方ぶりですなあ」

    「あ、お前あん時のちっちゃいのか」

    「ははは、こんな老いぼれにちっちゃいのは止してくださいよ」

    「よく言うぜ。俺様の半分も生きてねえのによ」

    お師匠が何やら親しげに話しているのは、数十年ぶりにうちの店に来た“常連”だ。

    西の国の北東部、北の国との国境に近いこの銀細工屋は北からの来客も多い。なかでも盗賊を名乗る魔法使いの太客が数十年に一度来るとは聞いていたけれど、まさかたった一年修行に来ている私がその姿を見られるなんて。しかもここから旅立つ前日に。
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    so_annn

    MOURNING失恋する勇気のないキースの話。
    【https://poipiku.com/535307/6169917.html】の続き?です。
    ・先天性女体化のキス→ブラ♀です。
    ・一部キスディノ♀をにおわせる描写を含む可能性があります。
    ・ブラッドのほかにも何人か(ディノなど)女性になっていますが、直接描写があるのはブラッドとディノだけです。
    10年醸造 #9
     10年以上初恋を引きずっている、なんて人が聞いたら笑うだろうか。笑うんだろうな。
     けれどオレは、もう10年以上、煮詰めすぎた恋心を捨てきれずに生きている。
     オレが知る他の誰より高潔で、清く、美しい女への片恋を。
     
     
     あれは確か、17の年の初春のことであったと思っている。彼女と一緒に、クラスメイトの女友達へのプレゼントを買いに行っていたのだから間違いない。
     女友達……ディノへ何を買うか、いつまでも考えあぐねていたオレとは違って既に何を購入するのか見当をつけていたらしい彼女は、さっさとショッピングモールのなかにあるアクセサリーショップへと進んでいった。
     アクセサリーショップ、なんていっても高級店じゃない。店の左手にはショーケースに入ったそれなりに高そうな品も売られていたが、彼女が用があったのは、その手前、比較的入りやすいエリアにあるコーナーのようだった。
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    Daisy_mhyk

    DONE盗賊団時代のブラネロ
    …になる前の、二人が出会ったばかりの頃のお話。

    ブラッドリーがネロを拾うに至るまでと、
    ネロが人生で一番感激した時のお話です。
    絡んだ糸の、その先は 魔法使いの一生は長い。
     そう頭では理解していたものの、ああ、こういう事なのか、と納得出来たのは五十年ほど生きた頃だったか。

     北の厳しい大地では、人間は生きる事すら難しい。
     俺が生まれ育った、親父の庇護下にあった村の人間たちは、四十年も生きれば御の字という程儚い存在だった。
     子供はまず育たない。十人のうち、成人出来るのは片手にも満たない。それでも貴重な働き手であるから、どの家も大概子沢山だった。
     人間たちとは別の理由で、といっても家族の中で魔法使いなのは俺と親父だけだったが、俺は大家族の末子として生まれた。悪党一味の頭であり魔法使いの親父が、同じく魔法使いの息子を望んで大量に子種を撒いたのだ。
     ハズレを引いた兄弟達に囲まれ、アタリを引いた俺は明らかな別待遇と英才教育を受けた。けれど、手足となるべく育てられた兄弟達にとってそれは当たり前の事であり、妬むよりむしろ、俺に取り入ってでも生き延びようという腹積もりの奴が多かったように思う。
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    mhyk_hymn

    DONE2022年1月23日 ムシャオンリー『傷の痛みと甘い疼きR』

    ムシャコレR 参加用の小説です。
    テーマ:裏
    2周年イベスト関連の捏造をほんのり含みます。ブラッドリーやミチルも出てきます。
    メイン1.5部のムルとシャイロックの声なんだあれ・・・2人きりだとあんなトーンでしゃべるの?!??という気持ちで書きました(合掌)
    The Contradictory Devil「『悪魔の証明』……ですか?」
     ミチルはグラスを片手に小首をかしげた。隣ではブラッドリーが琥珀色の液体が入ったグラスを傾け、機嫌が良さそうにニヤリと笑う。
     シャイロックに届け物をしてほしいとフィガロに頼まれて、少しドキドキしながら訪れた夜の魔法舎内のバーでは、ちょうどブラッドリーがカードゲームでムルに大負けしたところだった。何でもいいから気分転換がしたかったのか、ミチルの姿を見止めたブラッドリーはカウンター席に彼を座らせ、北の国の話や盗賊時代の話を聞かせてきたのだ。
    北の魔法使いだと思うと少し怖かったが、ブラッドリーから次々と繰り出される話は面白く、シャイロックが出してくれたピンク色とオレンジ色が綺麗なグラデーションになったジュースも美味しく、ミチルはついつい腰を落ち着けてしまっていた。
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