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    ミント

    Zoo____ooS

    DONE呪詛ミンと虎杖と五条。五七。
    前半はほとんど七海+虎杖ですがカップリングではありません。

    【五七FESTA】でこの話の続きを展示するため、シリーズ第一話としてこの話をポイピクにもアップしておきます。続編更新しました!前編ですけども…

    ※pixivに上げているのとまったく同じものです。
    地を這う者に翼はいらぬ 小さな蝿頭が、ふわふわと目の前を横切る。祓う気も起きずに目だけで追うが、すぐに通り過ぎる車に視線を切られ、虎杖は顔を正面に戻した。虎杖がいる国道沿いのコンビニの駐車場は街灯に照されしらじらと明るいが、その外は墨を流したように暗く、景色は闇に溶け込んでいる。
     眠い。疲れた。腹減った。先生たちまだかよ。一日の疲労が膜のようにまとわりついて、頭がうまく働かない。眠気を追い出そうと目を強く瞑ってから、腕でごしごしと顔を擦った。
     都内から電車で1時間ほどのベッドタウン、その国道沿いのコンビニ駐車場で、虎杖はぼんやりと迎えを待っていた。今日は伏黒と釘崎の三人で三手に分かれて低級呪霊を祓いまくるという学生向きの任務だったが、いくら低級でも流石に数が多く、任務完了がだいぶ遅い時間までずれ込んだ。伏黒と釘崎を車で拾ってこちらに向うと補助監督から連絡があったのがもう三十分ほど前。春も深まる季節とはいえ、夜更けともなれば少し肌寒い。制服の襟から出たパーカーをぐいっと喉元に巻きつけるように引き寄せる。ひどく腹が減っていたが、うっかり財布に金を入れ忘れたせいで目の前のコンビニでおにぎりを買う金もない。きゅうっと縮む胃に拳を当てて空腹を紛らわせながら、虎杖は星も見えない夜空を見上げては大きく欠伸をした。
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    NARUHA

    MOURNINGいつものように朝帰りしたフェイスは、突然特別任務の招集を受ける。特別任務の詳細は、とある子どもの護衛をするというもので……。
    書きかけだったベスティメインの事件ものですが、展開や設定をハニーキャンディ・ペパーミント味の方で使うことにしたので、こちらは未完&ボツです。でも結構な熱量で書いていたのでこちらに上げときます。
    海の瞳、記憶の水底忘れられない顔がある。
    記憶の中に広がる景色がある。
    ずっと残る傷痕みたいに、良いことも悪いことも深く脳髄に刻み込まれて蓄積していく。
    頭の中を埋め尽くす膨大な記憶たちに埋もれていると、ある瞬間には途方もない虚しさの中に身体を放り出されたみたいな気がして、それはそれは寂しい心地がしたものだ。

    教えられたことや見たものは全て全て覚えていた。
    初めこそ、周りのみんなはそんな僕を神童だ、天才だと褒めそやした。
    けれど時間が経つにつれ、どこか気味の悪い目で僕を見るようになった。
    たぶん、本当は知られてはいけなかったんだろう。
    なにも、口にしてはいけなかったのだろう。
    ――リセットしよう。プツンと繋がっていた糸を切るみたいにして、記憶の箱を海の底に沈めたのはいつだったか。なぜなの、だったか。
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