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    モリ

    再走(サイソウ)

    DONETL膝膝企画、三回目の開催おめでとうございます&ありがとうございます!
    前作(https://poipiku.com/4918557/11429448.html)の続き、「懸想している」と自覚した別本丸出身の二振り目と、彼の片思い相手に思い当る世話役の一振り目の話。
    終わらせるつもりだったのが続いてしまいました…。
    ※二振り目が薄緑と呼ばれています
    傾ぎ流れる 空調の風が規則的に首筋を撫でては遠のいていく。温湿度が管理された書庫で、薄緑は今日も何冊かの書物を紐解いていた。
     書庫のすみに設えられた机の上に、まるで塔のように積みあがっているのは、いずれも恋愛に関する本である。医学的なものから風俗的なものまで、とにかく恋愛について触れたものなら見境なく本棚から抜きだして、ただひたすらに読みふけった。すべてはあの日、「まるで相手に懸想しているようだ」と膝丸に言われた一言がきっかけだった。
     ――しかし、果てしない……。
     非番のたびにこうして書庫を訪れるようになって二週間ほど経つ。これまでに読んだ本の数は……端から数えてなどいなかったので不明だが、その感情の底知れなさを証明するように、いくら知識として身に着けても自分事として咀嚼できるかはまた別問題だった。
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    まぐたく

    DOODLE⚠️キャプション必読
    この話はゼルダの伝説37周年記念とティアーズオブザキングダムの発売決定を祝うつもりで書いたものです。
    ・ブレワイ(ティアキン)のリンクとマスターソードの精霊ファイが対話する話です。
    ・ブレワイのリンゼル前提
    ・スカウォのにおわせを多分に含みます。
    ・ティアキン発売前に書いた小説のため今読むと内容が異なりすぎて吐血します。
    以上OKな方のみ先へお進み下さい。
    いつか巡り逢うその瞬間 厄災ガノンの本体、ガノンドロフが目の前に立ちはだかっている。
     目を剥くスピードでこちらに伸びる怨念の手から逃れることは出来なかった。聖剣・マスターソードとそれを握る己の右手は怨念にじわじわと侵食されていった。
     右腕に走る激痛に意識が飛びそうになる。
     特に、マスターソードに触れている手のひらは言葉に出来ぬほど痛かった。まるで“マスターソード自身の”痛みが、繋がった部分から流れてきているみたいだった。

    「リンクっ!!」

     後ろから己を呼ぶ叫び声が聞こえた瞬間、激痛で霞んでいた意識が現実へと押し戻される。
     ハッとして後ろを見ると、まさに今この瞬間、ゼルダが裂けた大地に飲み込まれようとしていた。

    「…っ!」
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