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    一気に

    mayura_BL

    PAST海常の日常。
    痛いのが嫌いな笠松先輩と愉快な森山と冷静な小堀先輩と目覚めちゃった黄瀬くん。
    痛いのが嫌いな笠松先輩いいな!と思って。
    試合始まると全然気にしないんだけど(ファウルとか、接触とか)それ以外で痛い思いをすると、一気に幼くなる笠松先輩が見たい。
    海常いいわあ…という話です。
    Pain「げ」

    うわ、入った、と笠松は柄にもないそれに、げ、と短く言った。
    ちなみに入ったのは、シュートなんかじゃない。

    Pain

    「入った」
    「何が?」

     いち早く反応したのは、たまたま横でシュート練習をしていた森山だった。ちなみに入ったのはシュートではないので、「何が」と聞いておいた。外したじゃん、と暗に言ったも同じだったから、笠松にぎろりと睨まれたのは言うまでもない。

    「何が入ったんだ?」

     ドリブルの練習をしていたらしい小堀が、ゴール下まで来ていて、聞こえていたらしく訊ねたら、笠松は、無言で右手を高く上げた。

    「あ、うん、分かった、分かった」
    「痛い」
    「うん」

     小堀が「分かった」と言ったら、笠松は眉を下げて、手を上げたまま、痛い、痛いと三回か四回言った。だいぶ痛いらしい。眉を下げてしまうと、元々の幼い顔が引き立ってしまって、海常の主将らしい力強さはなくなった。
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    minamidori71

    DONE現パロビョルアシェ、第四話。クリスマス休暇を目前にした木曜日の夜、ビョルンはつらい過去の夢にうなされる。泣き叫んでいた彼は、仕事から帰宅したばかりのルカに起こされるが……。
    ふたりの距離が、一気に縮まります。このシリーズは、次回で一旦ひと区切りの予定。
    Unknown Legend(4) その兆しは夜の眠りのさなか、ひたひたと忍び寄る。
     浅い眠りの瀬をたゆたいながら、その気配を察知し、ビョルンは焦る。早く夢など必要としないほどに熟睡しなければ、と。しかし次の瞬間、真っ黒な泥に巻かれて、深みへとひきずり込まれる。そうなってしまったが最後、自分の意思ではどうにもならない。悪夢のるつぼで泣き叫び、目覚めるまでもがき続けるしかないのだ。
     ――なんで……この夢なんだ。
     おかしなことに、自分で判っている。これは夢なのだと。しかしそこから抜け出せない以上、判っていてもなんの得にもならない。しかもよりによって、ビョルンがもっとも見たくない夢だった。あの日と同じように泣きながら、日の落ちたテムズ川の南岸をめちゃくちゃに走り回り、道ゆく大人たちの姿を必死に目で追う。けれどもビョルンが求めてやまぬ背中は、どこにも見当たらない。
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