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    一般人

    snhk2501

    MOURNING「ここを経つ日」
    北河+无限の怪文書。
    北河の娘の養父になる无限の妄想。
    いつもの設定じゃなく北河が一般人。
    正直「守り人」のパロディ。
    北河の口調わからん…………
    无限が北河に会ったのは半年ぶりだった。
     彼は医術師としての腕を買われてたびたびこの地の君主のところに出仕していたのは無限も知っていた。だが、深夜、无限の家に転がり込むようにして来た、北河の話は无限の想像より深刻だった。否……あり得ることだろう。だが、まさかそれが旧知の友にまで及ぶとは、予測し得ないことだった。
     北河は次期当主争いに巻き込まれた結果、娘を人質に現当主の次男に取られ、毒を盛ることになってしまったというのだ。
    「无限……頼みがある。娘を連れて逃げてくれ。俺はいずれ殺される。おそらく、娘もだ。だけど、あの子まで死なせるわけにはいかない。あの子は…俺の、全てなんだ」
    「……っ」
     北河自身も助ける手立てはないか、思考を巡らせる。だが、今でさえ監視を抜け出してきたという状況を思えば、北河が失踪すればあっという間に追手がかかるだろう。多勢に無勢になる可能性もある。无限独りならどうにでもなるが、北河やその娘を連れた状態で、それは避けたい。
     結局のところ、北河の言う通り、无限が北河の娘を連れて逃げるしか手立ては無かった。
    「……わかった」
    无限は北河を抱きしめて言った。
    ──こんな 687