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    一般人

    も ぶ

    MOURNING呪霊のいない一般人五七と猫五七が存在する世界

    猫の悟さんが人の七海さんに出会う話と猫悟さんから見た同棲始めた五七の話
    猫のいる生活吾輩は猫である。
    なんて冒頭の文学がある事も知っている。俺は超賢い猫である。名前はもうある。最愛のご主人、七海がつけてくれたさとるという名だ。他人と重ね合わせて付けられた名に思うところが無くはないが、たしかに奴との共通点は多いし、顔だけはいいと言うことは周知の事実なのでまぁ良しとする。なにより七海が毎日「さとるさん」と優しく呼んでくれるからそれだけで俺はこの名を気に入った。

    七海と俺の出会いは2年前。
    両親はチャンピオン猫で申し分ない血統に加え、混じり気のない真っ白な毛並みと透き通るような青い瞳、そして愛らしさ抜群の顔立ちを持って生まれた俺はかなりの高額猫として猫舎で生まれた。ブリーダーも今までで1番だともてはやし、それはもう大事に大事に育てられたのだがある日ついに俺を飼うという人間がやってきた。超絶賢い俺は猫でありながらこの猫舎のシステムを既に理解していたため家族と離れることに抵抗はなく、どんな人間が飼い主になるのかとワクワクしていた。そこに現れたのが七海……ではない。そこに居たのは小太りのおっさんだった。ここに引取りに来る人間は化粧はキツいが綺麗な女性だったり、幸せを絵に書いたような裕福そうな家族だったりと女子供が多かった。予想外だったし正直少しがっかりした。おっさんが悪いわけではないのだが、ここに来てから俺達を見て頬を緩めるでもなく手早く手続きを進めようとする様子に「あ、こいつ猫が好きなわけじゃないな」と察してしまったからだ。家族に強請られて仕方なくならまだしも女を呼ぶためのアクセサリーとしてだった場合最悪である。まぁ俺はベタベタふれあいたいタイプじゃないし?最低限の手入れと飯だけ用意してもらえればいいし、最悪いつでも脱走してやろうと決めてキャリーへ入ってふて寝をした。
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    EIGOnon

    DONE❄️🌸ワンライ4話目。
    お題は「待たない」をお借りしました。
    ネロくん大きくなりました。現在の格好としては狩人バラッド時の毛皮スタイル白ver.を想定してます(🌸とは…)
    ブラッドリーとネロは一般人には見えません(特殊な部類の人々からは見えてます)なので、傍から見れば料理覗いてたのは大きな狼だけという状態です🐺それでも怖いな…。次はお別れ編です👋
    冬に添う 四《待たない》『ネロさん、ネロさん』
     ネロの手にふわふわとしたものが触れる。
     甘えるように頬擦りをする巨狼をネロは苦笑しつつ撫でてやった。毛皮の表面はひやりと冷たいが、指を埋め込むと暖かい。深く撫でる方が気持ち良いのだと分かったのは最近のことで、今ではすっかり狼撫でも板についてしまった。
    「シグ、おかえり。ボスは?」
    『居間に戻られました。ねえネロさん骨ください』
    「ん、良いよ。ほら」
     肉を削ぎ取った大きな鹿の骨をシグに渡すと、それはもう盛大に尻尾が振られた。咥えたままなので何を言っているか分からないが礼を言っているに違いない。大事に食えよ、と笑うと尾を振りつつ頷いて調理場から出て行った。
     奥で『あ、おまえばっかり!』『この甘え上手!』とぎゃあぎゃあ喧嘩する声が聞こえた。そこに重なるように「うるせえぞ馬鹿犬ども!」という怒鳴り声が放たれて、急に静かになる。
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    snhk2501

    MOURNING「ここを経つ日」
    北河+无限の怪文書。
    北河の娘の養父になる无限の妄想。
    いつもの設定じゃなく北河が一般人。
    正直「守り人」のパロディ。
    北河の口調わからん…………
    无限が北河に会ったのは半年ぶりだった。
     彼は医術師としての腕を買われてたびたびこの地の君主のところに出仕していたのは無限も知っていた。だが、深夜、无限の家に転がり込むようにして来た、北河の話は无限の想像より深刻だった。否……あり得ることだろう。だが、まさかそれが旧知の友にまで及ぶとは、予測し得ないことだった。
     北河は次期当主争いに巻き込まれた結果、娘を人質に現当主の次男に取られ、毒を盛ることになってしまったというのだ。
    「无限……頼みがある。娘を連れて逃げてくれ。俺はいずれ殺される。おそらく、娘もだ。だけど、あの子まで死なせるわけにはいかない。あの子は…俺の、全てなんだ」
    「……っ」
     北河自身も助ける手立てはないか、思考を巡らせる。だが、今でさえ監視を抜け出してきたという状況を思えば、北河が失踪すればあっという間に追手がかかるだろう。多勢に無勢になる可能性もある。无限独りならどうにでもなるが、北河やその娘を連れた状態で、それは避けたい。
     結局のところ、北河の言う通り、无限が北河の娘を連れて逃げるしか手立ては無かった。
    「……わかった」
    无限は北河を抱きしめて言った。
    ──こんな 687