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    夜明け前

    いちや

    MOURNINGチプ闇で発行した同人誌「夜明け前」より、幕間のお話の後に残された3人の物語。
    なので闇慈の痕跡がちらほら有りますが、これ単体でも完結しております。
    書いてる人はカイソルのつもりで書きました。
    私が普段書いてるのはチプ闇ですが、ソル受けも好きだったり。
    友人に捧げた物です。

    変わってしまったからこそ、触れられる事が出来るようになった場所って良いですよね。
    幕間ーAfterー闇慈が騒がしく去って行った後、その場にはフレデリックとカイの2人が残っていた。

    「で?何しに来た」

    「ああ、様子を見に来た。あれから何かあったか?」

    「何もねえ。それこそ相当なマニアか、ただの物好きしかここには来ねえからな」

    首を竦めながら、フレデリックはそう零した。
    不満の体を装っているが、それでも今を楽しんでいる事をカイはどことなく感じ取っていた。
    商売をする気にはあまり見えないが、それも彼らしい。

    しかしこれは暗に物好きの枠に入れられているのだろうなと、カイは少々不服を覚える。

    「…そういう何か、ではなく体調は、という意味だったんだがな。その様子では何も問題は無さそうだ」

    「愚問だな」

    溜息を付きながらの言葉に、鼻で笑いながら男は返す。
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