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    女子高生

    ほしいも

    DONE図書室デートをしている猗窩煉

    ■女子高生同士
     放課後の図書室。
     終礼のチャイムが響いたら、二人揃って同じ教室を後にする。図書室までの一階と数百メートルの距離を彼女の手を取って歩むのが、在学中で最も繰り返したデートコース。

    **

     三回巡らせた季節。四季の移ろいでデートコースの景観は随分と違って見えた。陽が長くなったとか、窓を開け放って流れ込んでくる風が気持ちいとか、夏を前に制汗剤の香りがするとか、冬の廊下は外よりも寒いだとか。特別な場所に行くわけではない、それなのに、私たちにとっては立派なデートだった。

     夕陽が差し込む図書室に通うのは、私たちだけではない。二、三年生の姿が多く、それぞれに自主学習へ耽ったり、本の世界に没頭したり、居眠りをしたりして自由に過ごしている。図書室は常に開かれていて、拒むことなく全ての生徒を受け入れてくれている。

     彼女は、家で待つ家族に図書室通いの事を、付き合っている彼女と蜜月を過ごしている。などとは言えず「受験勉強」という四文字で断りを得ていた。
     私はというと、世話になっている施設が門限さえ守りれば後は自由に過ごして構わないという放任主義だったので、完全下校の19時を知らせる鐘が鳴るまで 1447

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    PROGRESS花屋と女子高生3

    現パロ
    お花屋さん晴信(記憶あり)
    ×
    女子高生政子(記憶なし)

    続きです!
    折角政子に再会できたというのに、名乗るどころか店の場所さえ教えていない。
    もう一度会えるだろうかと例の駅前に出店したかったが、店を空け続けるわけにもいかない。
    昼下がり、晴信は店の前で仕入れたばかりの蜜柑の苗木に水をやりながら、溜息を吐いた。
    足元で柴犬のまさがきゅんきゅん鼻を鳴らすたびに遊んでやる為手にしたじょうろをぴゅっと振って水をかけようとしてやると、まさは喜んでくるくる回ってそれを避けたり、わざと浴びようとした。
    晴信はそれを心ここに在らずといった感じで行っているのだった。

    「……はぁ…」

    あの日、諦めていた日暮れ。
    通りかかった政子に夢中になって店のネームカードを薔薇の花束に添えわすれてしまったことは、人生最大の過ちである。
    政子からこちらを探してくれるわけがない。
    五百円で薔薇の花束を押し売りしてきた髭もじゃ花屋の三十路男など、何が嬉しくてあのように可愛らしく同級生からも人気のある女子高生が気にかけて探すというのだ。

    「……だがなぁ…」

    ここで諦めてどうする…と、晴信は唇をきゅっと結び、思った。
    約七百五十年ぶりの再会なのだ。
    恋焦がれていたのだ。
    奇跡的に同じ時代 2101