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    妊娠

    kinoko12069

    MOURNING・好きな曲から連想して書いた当社比重めなイデ監。何の縁もない田舎の駅で会話する二人の話。この二人は付き合ってはいないです。
    ・人を選ぶ内容なので気をつけてください。卒業後設定、セフレ的な関係と妊娠の描写があります。
    ・夏が終わったばかりですが冬の話です。
    ・書き終わってから思い出しましたがこの曲、別れの歌なんですよねぇ……。良かったら聴いてみてください。
    There will never be another you「外はやっぱり寒いね」

    何もない駅のベンチでうずくまっていると、頭上から声が降って来た。今もっとも聞きたくなかったような、それなのに聞きたくて仕方がなかったような声だ。

    けれど顔を上げる気にはなれず、俯いたままそれに答える。

    「……出てこなければ良かったのでは?」

    もともと出不精な人だから、輪をかけて寒い今日などは世界が終わっても部屋を出てこないと思っていた。そういえば今朝はこの冬一番の冷え込みになるとラジオでは言っていたっけ。
    それも含めて皮肉を言うと、その人は困ったようにため息をついた。

    「君ねぇ……」

    彼は何か言いかけて、しかし止めた。そして着ていた外套を脱ぐと、私の肩に掛けて羽織らせた。冷えた身体に、そのあたたかさは染み入っていくようだ。
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    いをる

    MAIKING*五条先天的女体化*
    *妊娠ネタ*
    *『最後の恋をはじめよう』の続編*
     キミのお父さんになる人は、温厚篤実。とても真っすぐで誠実で、ちょっとお堅いところもあるけど、私のことが大好きで、キミのことも大切にしてくれる素敵な人なんだよ。

     午後十時。灯りを落とした部屋の中で目を開けた。寝つきが悪い時は決まって、お腹に向かって語りかける。返事はないけど、きっと聞こえている。
    「たいくつだね」
     声が聞きたい。枕元に置いた携帯電話を手にした。
    「いいのかな。電話しても」
     時間帯としては遅すぎるということもない。きっと、まだ七海も起きているだろう。でも、任務帰りで疲れているかもしれないし、明日は早い時間に出る可能性もあるし。
     画面に表示された名前と電話番号を見つめながら逡巡の時間が延びていく。
    「いいんじゃないかな……電話しても」
     婚約者なのだし。と自らの立場を強調して納得させて発信ボタンを押した。
    『こんばんは』
     三コール目で相手は出た。
    「こんばんは」
    『ちょうどケータイ見てました。一コール目の途中で出たら、食いつきすぎかと思って我慢したんです』
     息を漏らして笑う声が微かに聞こえた。
    「ネタばらししたら意味ないじゃん」
     低くて透き通った声。自然と鼓 8255