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    孤児

    まさよし

    DONEアサオズ 現パロです 孤児のアーサーを幼い頃から育てているオズ という感じです ハロウィンの話
     ハロウィンという行事については、アーサーも詳しくはないが知識として知っていた。しかし、自分には関係のないことだと思っていた。ハロウィンでは子どもが街を歩き大人にお菓子をねだり、それがもらえなければいたずらをするのだと、そう聞いていた。アーサーは今年高校に進学した。この歳で街を歩き目についた大人にお菓子を要求して回る、というのは微笑ましいお祭りごとではなく、通報待ったなしの迷惑行為だろう。お菓子をねだられる側にしても、近所に子どもはほとんど住んでいないからおそらく会うこと自体がない。つまりどちらにせよ、アーサーにとってハロウィンは自分とは無縁の行事だった。
     けれど、ハロウィン当日、クラスの女子生徒がアーサーにお菓子を要求してきた。例のまじないのような台詞を口にした女子は、すでに幾人かに声をかけたのだろう、手にお菓子の入ったビニール袋を提げている。アーサーは学校にお菓子を持ってきてなどいなかったので、それを正直に告げると、髪にヘアピンをつけられた。これがいたずらだと言う。そのあとすぐヘアピンは回収されたので、アーサーにとってハロウィンは女子から一瞬ヘアピンをつけられる行事となった。
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    hashi22202

    DOODLE二人旅、孤児を保護するトラキア王と召喚師の話
    (弊アスクでは召喚師がトラキア王を「王様」と呼んでいます)

    #秋のトラキア王強化期間
     子どもがいる。
     王様にそう言われて、僕は顔をあげた。山の日は野よりもはやく暮れる。影の落ち始めた森に視線をまよわす僕に、ほらあそこだと王様が指をさした。言われてみれば木立の向こう、小さな影がふたつ見える。子どもかどうかはわからないけど、まあそれらしくも見えなくない。よく見えたな、と、僕は素直に驚いた。十二聖戦士の血を引く人は、こういうところでちょっと人間離れしている。まして直系、聖痕持ちとくれば。
     しばらくまえにこの辺りで、村が野盗に襲われた。特務機関は慌てて救援に向かったけども、それ以来子どもがふたり、行方不明になっていた。野盗に攫われたのか、それとも逃げ惑ううちに、迷って帰れなくなってしまったのか。どっちなのかは知らないけども、おいおい聞けばいいだろう。もしかしたら、全く違う子なのかもしれないけど。とにかく助けることが先決だと、僕は王様とふたりで木立の間を縫っていった。先日の襲撃以来、村近くの見回りを強化していたわけだけども、それがひょんな結果となったわけだ。運がいい、と僕は思った。もし彼らが行方不明になった子どもなら、相当衰弱しているはずである。正直、生きているだけでも奇跡というものだ。
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