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    実験

    umi_scr

    MOURNING支部にあげた「恋の話」(霊幻さんは芹沢と律どっちを選ぶのか?っていう話)
    プロット立てないで何も考えずに文章書いたらどうなるのか? っていう実験を芹沢一人称でやってみたら、導入で二万字行ったので驚愕したよね……
    このノリでやってたら永遠に終わらなかった。危なかった。

    勿体ないのでここに供養させてください。内容は支部に上げたものに近いので真新しいところは少ないです。導入なので中途半端に終わります!
    恋の話(リライト前) 影山君から家を出る、って聞いたとき俺は単純にすごいなあと思った。将来を定めた決然とした姿は、中学生当時の影山君とはまるで違っていた。あの頃から自分の考えをしっかり持った子供ではあったが、霊幻さんに選択肢をゆだねる頼りなさは年相応だった。いつの間にか成長していた姿を目の当たりにして、年月の重みをぐっと感じた。
    「芹沢さん、霊幻さんを頼みますね」
     はにかみながら俺にそう言った影山君もあの頃とはかけ離れて大人びていた。わかりました、と神妙に答えながら俺はふと霊幻さんのことを考えた。師匠と弟子、という単純な言葉では測れない絆みたいなものを日ごろから強く感じてはいるが、だとするとこの状況は彼にとってどうなのだろうか。まるで子供が巣立ったあとの母親のように、抜け殻になってしまうのではないだろうか? 俺だって影山君の姿に寂しさを感じなくはないのだから、霊幻さんならことさらだろう。
    21020

    mavi

    DOODLE『ムル・ハート博士逸事・逸話集』みたいなのが読みたいなあって……。
    元ネタは『木戸松菊公逸話』『実験論語処世談』
    20220120(前略)これは、私が未だ観測所*を退かぬ前の世界暦X年の春頃であったように記憶するが、ムル・ハート博士はある日突然青天の丘の麓の拙宅にお訪ねくだされた。取次の者が、「ハート博士がお見えになった」と申すので、「ハート博士ならば西の国のみならずこの中央の国、さらに先の東の国までも名の知られた学者で、王族の方々とも交流のある偉い方である。あのハート博士が私の家なぞへお訪ねになろうはずがない。きっと人が違うだろうからよく調べてみなさい」と取次の者に申付けたのであるが、「いややはり……あのハート博士である」とのことゆえ、何の御用でわざわざお越しくだされたものかと恐縮しながら座敷にご案内申して御用を伺いあげると、今日訪問したのは、互いに談話したいからで、別事ではない、と言われる。実のところ私は博士のごときが訪問されたのに、多少疑問を抱いていたくらいである。ところが、まず私の経歴を問われて、中央に遊学した状況を丁寧に尋ねられ、天文学や数学に関する考えも聞かれたのである。どんな程度に答えたか、記憶に存じていないが、博士はその数日後に、〔西の国の〕政府へ提出する建白書の案を立てて、再び拙宅を訪い、私にこれを起草せしめた。この建白書は、国家として天文学を奨励し天文台を建造する意義を謳い、その適当な用地として未開の入江を挙げたもので、私の与り知らぬところで新聞*に掲載され、「パティア・A氏は王立学院で学問をした天文学と数学の造詣頗る深く達文でもある学者である」なぞと博士に手による私の紹介文が付記されていたと聞く。
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