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    d_chin_mkai

    DOODLETwitterで公開した、モブ一等卒視点の原作終了後ifの月鯉。

    鯉登少佐の従卒に命じられたモブ一等卒。
    従卒初日、麗しの鯉登少佐のご自宅へお迎えに参上したモブ一等卒を出迎えたのは、退役してなお巌のようにたくましい、あの伝説の月島軍曹殿で?!

    …というお話です。
    モブ一等卒に鯉登少佐への恋愛感情はありません。
    ファン目線です。
    月鯉 謂わぬが花私が鯉登少佐殿の従卒に任じられたのは、入隊して二年目の春のことだった。
    召集兵の中でも特別身体が頑健という訳でも、これといった特技もなく、訓練でも目立った活躍もなく、淡々とした営内生活を送っていた私に、それはまさに青天の霹靂というやつだった。
    当然、私以上に周囲の同期の者たちの驚きは大きく、「どんな賄賂を送った」「不正などしなさそうな顔をして」などと散々に詰られたものだ。中には、今まで挨拶程度しか面識のない者にまで、廊下でいきなり胸倉を掴まれる始末だった。
    どれもが謂われない濡れ衣であるし、とんだやっかみに私も面食らいはしたが、そう思い込む者たちの気持ちもわからなくはない。
    「鯉登少佐殿」という御方は、私達のような兵卒にはそれだけ雲の上の御方だったのだ。階級という意味では勿論、大隊長殿のお側近くに勤められることなど、一兵卒にとってあり得ない名誉である。だがそれ以上に、彼らが私を羨むのは「鯉登少佐殿」の姿形の美しさ、その存在のすべてに刻まれた綺羅星、いや太陽の如き輝き故であった。
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    dhastarflower

    DONE巌ふちと十禾。
    船の上で巌鉄斎が十禾に眼帯をとられその後返してもらうまでの話。
    十禾が巌鉄斎を誘う描写はありますが未遂程度。
    あと支部にあげるときにあらためて誤字脱字加筆修正します、また挿絵も描きますー!
    私の中でひとつの巌ふちの最終形態。
    遅咲きの初恋 失ってから大事なモンに気づく俺は愚かだ。
     ああしていたら、こうだったらともしもの妄想の連続をいくら繰り返したってアイツは帰ってきやしない。あの瞬間に戻れたらとか不毛だから辞めた。
    ちゃんとその時を生きてきた人間がしてきた選択をせめて無駄なモンにしないようにとするばかりなんだ。遺されたモンの責任だ。
     …わかってはいんだけどよぉ。
     なぁ付知。
     何度も何度だって、俺は後悔しかない
     
     ※※※
     
    「あ〜そうだそうだぁ、巌鉄斎。悪いけどそれ、預からせてもらうよ」
    「…はぁ?」
    「十禾殿?」
     誰が仙薬を持ち帰り公儀御免状を手にするかの話し合いにより俺がその役目を有り難く頂くことになって、それ以外が各々の小舟に乗り別れを惜しみ達者でと見送ったあと。俺と佐切と酔っぱらい男の三人だけになり、先程まで賑やかだったものがなくなってさらに寂しさが募るのか懸命に泣くのを抑えようと佐切の鼻をすする音がデカい船で響く、そんなしんみりとした空気を台無しにブッ壊すかのような酔っぱらい男の言葉に俺は耳を疑った。
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