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    L_tw_sl

    MOURNING緊縛師のエミヤさんが最終的に槍に縛られる槍弓(タイトル)を読みたくて書きはじめてみたら、それで満たされてしまった導入部。弓が和服着てモブ女を吊るだけ。槍は存在の匂わせすらありません。
    自分に縛られて徐々に蕩けてゆく女を見て、自分が縛られたい欲や羨ましさを押し殺して禁欲的に振る舞うエミヤさん良いな〜って…そのあたりは書かれてませんが。
     光量を落とした白熱灯の下、体を折り畳むように女が座している。緋襦袢に白い半襟。裾から覗く足首が酷くなまめかしい。俯いた貌は幼さを残しながらも美しく整い、不安と、隠しきれない期待の色を浮かべている。
     毎度どこで見つけてくるやら、佳い表情をする女だ。思うと同時に背後でシャッター音が響き、まさにその面がファインダーに切り取られたことを知る。
     エミヤは自身の着物の裾が女の視界に入るよう、わざと正面を横切って背後に回った。暗色の紬は、養父が舞台用に仕立てて愛用していた品物だ。今ここにスポットライトはなく、観客もいないが、受け手に与える印象を思えば必要な演出だと割り切って身につけている。
     所在無げに床に置かれていた手頸をとる。ぴく、と小さく揺れた薄い肩を、反対の手の指先でそっとおさえる。触れあう場所の面積が極力小さくなるように、そっと。怯えさせてはいけない。だが安心させすぎてもいけない。初めてこの手技を受ける、その意味を殺してはならない。
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    keram00s_05

    DOODLE例の弓を射る☔さんが良かったので書いてしまった…。例によって同級生雨玄♀です。
    ※弓道はかじったこともないため、ネットだけの知識ではカバーできていないところも多々あると思いますが見逃してください。
    恋は射っても射られるな 静まった空気を引き裂くような鋭利さで雨彦の射った矢は一切ふらつくことなく真っ直ぐに的の中央、中白に突き立った。雨彦の放つプレッシャーから解放されるとどっと歓声が沸き、体育教師は静かにしろと何度も諌めた。

    「葛之葉、見せてくれてありがとな」

    騒いでいる間にクラスの列に戻ることもできず手持ち無沙汰にしていた雨彦は調子に乗ってふざけたりすることなく表情一つ変えずに列に戻った。クラスメイトに凄い凄いと囃し立てられるのを流す横顔はいつも通りだが、内心は上手くできて良かったと胸を撫で下ろしていた。
    今日は隣のクラスと合同での体育で、しかも、男女混合なのだ。運良く雨彦は玄武と同じ弓道のグループになれた。だが、どこで聞きつけたのか弓道ができると知っていた体育教師が授業開始早々に雨彦に対し、みんなの前でお手本を見せろと言われた。この時ばかりはもう一つのゴルフのグループが良かったと思ったが、くじ引きなのでどうしようもないことだ。やるからには彼女の玄武に格好良いところを見せたいと、教師からの申し出を了承し久しぶりに弓を手に取った。
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    L_tw_sl

    DONE夜の自由時間て貴重だよね、という槍弓。
    元ツイと、それをこねこねしたのが↓で、そこにちょっと付け足しました。まだヤりはじめてねーので全年齢だよ😉
    https://x.com/L_tw_sl/status/1811065736485556625
     ランサーが帰宅したのは、食事も入浴も、歯磨きまですっかり終えてしまって、いよいよもう寝てしまおうという頃だった。
     玄関ドアの開く音を耳ざとく拾ったセタンタが、ピクンと顎を跳ね上げリビングを飛び出す。アーチャーはその獣めいたしぐさに笑いを堪えながら、セタンタを追って一緒にランサーを出迎えた。
     はしゃぐ息子に纏わりつかれ、苦労しながら靴を脱ぐランサーから、鞄と土産らしき紙袋を受け取ってやる。ランサーはひょいとセタンタを抱き上げてしまうと、疲れを感じさせない軽い足取りで廊下を進んだ。
    「いい子にしてたか?」
    「うん」
    「アーチャー怒らせてねぇか?」
    「うん」
    「……なんだ、ずいぶん眠そうだな」
     時刻はようやく夕方から夜へ移ろうという頃だが、それにしては問いかけに返る声がぼやけていると気付いたらしい。ランサーがセタンタを抱えなおし、彼の幼少期にそっくりな顔をのぞきこむ。するとセタンタは小さくあくびをしながら、やはり眠気の滲む声で答えた。
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