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    @ay8mk5dg

    PROGRESS騎士団で雪かきをするガイアにくっついてお手伝いのおうるくと🐰がぬ。はしゃいでいる二匹を見て感慨深くなるディルックとガイアは昔のことを思い出して……(作業進捗)
    おうるくと🐰がぬのクリスマス(+ディルガイ)「おーい!こっちは片付いたからアンバーは向こうのほうに回ってくれ!」
    「わかりました……あ!先輩!サボらないでください!うさがぬちゃんもおうるくちゃんも一生懸命なのに!」
    「コーヒー飲んでただけじゃないか」
    「お昼休みはもうちょっと後です!」

     モンドが一面銀世界に包まれた翌日のこと。騎士団本部ではあまりのドカ雪にこれでは生活もままならないと救援が届き、自分たちの本部の前の道も視野に入れつつ町中の雪かきを手伝うこととなったのである。

    「ふん!」
    「ぬ!ぬ!」
    「よしよし。お前たちは団員にタオルとカイロを配りに行ってくれ。それが終わったら休憩に入っていいぞ。転ばないようにな」
    「ぬ!?」
    「ふん……!」

     ガイアが話しかけているのは小さな兎と手のひらサイズのフクロウ。名前はうさがぬとおうるく。兎の方は嵐がひどい日にディルックが保護し、回復するうちにアカツキワイナリーの従業員になった経緯がある。そして葡萄畑を出入りしていた兎に一目惚れしたフクロウは『なんて可愛い子だ!』と羽をプレゼントしようとしたところ、ディルックの『うちの子に手を出すな』という固いセコムに打ちのめされたところをガイアが可哀想だと騎士団本部で拾ってアドバイスしたところから懐かれてよく仕事を手伝うようになった経緯がある。今ではなんだかんだあって一緒にいられるようになった二匹は家はワイナリーの敷地内に一緒に住んでいるのだが、偶にガイアの仕事の手伝いという名目で城下に遊びに来ることがあるのだ。そして今日はそのお手伝いというわけで……
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    moonrise Path

    DOODLE結婚しないまま父親となった久遠道也の感慨とふどふゆ夫婦
    煙社降臨節暦 第十二夜/久遠一家 恋を忘れ走り続けてきた。淡く濃やかな感情が自分にも芽生えうる可能性に目を向ける暇もなかった。それが不幸であるとは思わなかった。
     今でも悔いてはいない。悔恨の情が生まれる出来事はいくつもあったし、そのたびに痛みも生まれた。だが、どれひとつ欠けても今現在には辿り着けなかった。楽を選ぶことができない人生だから、掴めた手もある。
     久遠はクルマに積み込むための荷物を整理しながら手を止めた。アルバムの入った段ボール箱は一つではなかった。自分が関わった選手たちのデータに比べれば少ない数だが、それでも久遠はことがるごとに娘の写真を撮り、アルバムに収め続けてきた。FFIで監督を務める少し前、冬花を撮った写真がある。どんな感情を出すことも拒むような頑なな表情。反抗期らしい反抗期もない娘だったが、自らその奇妙さに気づいている節があった。彼女は久遠以上に聡く、人間らしい感情の機微を備えていた。カメラの前で笑顔を作らないのは、父である自分への信頼と彼女なりの甘えだと久遠は分かっていた。笑顔でない写真は事務的に言えば使いやすい写真でもあり、それはFFIにおいてマネージャーとしての登録、また渡航の際に必要な証明写真としても使われた。
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