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    手作り

    nayutanl

    DONE【十五夜の魔法使い】企画に提出したものです
    担当は北、スノウとホワイトでした。ふたりがフローレス兄弟を出会い頭に誘ってお茶会をする話です。
    とっておきのお茶、自慢の手作りお菓子、特別な時間。おおよそそんな感じ。
    ムーンナイトティーパーティー 談話室から戻る道すがら、ルチルとミチルは廊下でスノウとホワイトに出くわした。
     夕食後から少し経ち、そろそろ自室に戻って自分の時間を過ごして寝支度をという時間だったが、スノウとホワイトは絵の中ではなく昼間と変わらない姿でいる。抜け出る気になれば出てこられるとは言っていたので、それ自体は不思議なことではないのだが、意外な時間に意外な場所で出会ったものだから、兄弟はふたりして少なからず驚いたのだった。
     
    「スノウ様、ホワイト様。こんばんは」
    「こんばんは! こんな時間に、どうしたんですか? お腹空いちゃったんですか?」
     
     ルチルとミチルが挨拶をしてから尋ねると、双子はにっこり笑ってそれぞれふたりの腕を抱くようにして捕まえた。その様子は、一見すると幼い子どもが年上の相手に甘えているように見えるが、スノウとホワイトがただ甘えるような仕草をしているだけではないことにルチルは何となく気づいていた。ふたりは、なにか明確に用事があってこうしているのだと。
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    maybe_MARRON

    MOURNING左馬一
    バレンタインポストでいただいた、チョコを渡せなかった17郎くんの話
    左馬刻さんは合歓ちゃんが女友達の他に簓たちにも作ろうとしていたのを見て合歓の手作りをあげるくらいなら俺が作るとチョコ作りをしていたのでした 明日チョコもらえます
    リカー・チョコレート・コレクション 冷たい風が頬を刺す。いつもの公園のいつものベンチに腰掛けて、空を見上げた。
     綺麗な青空だ。これが春なら花見日和だし、夏なら海にでも飛び込みたい。けれど今は冬で、どんなに空が綺麗でもただただ冷たい風が吹くばかり。
    「ずっと前から好きだったの」
     唐突に背後から声がして、一郎は思わず息を呑んだ。普段なら人の気配に気づかないなんてことはほとんどありえない話なのだが、ぼんやりしていたせいか、声がするまでまったく気づかなかった。そのせいか、バクバクと心臓が煩く音を立てる。向こうは気がついていないのだろうか、気がついているのならなんで告白なんてし始めたのだ、せめて人がいないところでやってくれ……などと思うがもう遅い。とにかく邪魔だけはしないようにと思うとこの場を離れようとして音を立ててしまうわけにもいかず、ほんの少しの罪悪感を抱きながらそっと息を潜めていた。聞き耳なんて立てるつもりはないのに、どうしたって声は聞こえてしまう。半分は相手のせいだから仕方ないだろう。
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    bunbun0range

    DONEバレンタインの敦隆。2022年ver
    恋人同士の2人が迎える初めてのバレンタイン
    「手作りも用意してる敦豪がまず渡してみたチョコ」と「自分はデパ地下で買った隆景が渡されたチョコ」
    チョコをくださった方、ありがとうございます!
    とりあえずのチョコの話 バラエティパック。お菓子の詰め合わせ。
     そんなコンビニでよく見かけるチョコレートが、手の上に置かれた。当然、プレゼントを包む綺麗な包装もなければ、持ち運びに便利な袋もない。ここがコンビニなら、迷わず有料のレジ袋を購入するところである。赤く大きなパッケージは、手に持って歩くには目立ちすぎる。
    「……」
     チョコだ。チョコである。チョコ以外の何ものでもない。
     渡されたチョコをただ無言で見つめる。どこをどう見てもチョコなのだが、それは自分が思い浮かべる『チョコ』と少しどころか、だいぶかけ離れていた。
     いや、男同士の場合のバレンタインというものはこういうものなのかもしれない、と頭の中で整理する。百貨店で女性陣にジロジロと見られながら購入した高級ブランドのチョコはバックの中に入っているが、自分のようにアウェイの地に行く男性など滅多にいない。コンビニで購入できるチョコを贈り合うのが、確かに相手を思いやったことなのかもしれない。
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