暦
space_jam0310
DONEこないだ上げた突発難聴ランガの対になるランガ以外が全部モノクロに見える突発色盲暦くんの話。人の顔色が見えるので顔色ばかり窺って生きてた暦くんが恋を知ってそれをやめることにする、という変な話。
君のとなりで生きていく 雲が真っ白で、境界線がいやにはっきりとしているから、恐らく快晴で空の青はくっきりと濃いんだろう。
空の青も山の緑も、夏はすべての色が濃い。なのに、俺の視界にあるのは白と黒と濃淡。グレースケールの世界。
あれ、と思った時にはもう、俺の視界は特定の色しか捉えられなくなっていた。
□
「――……月日、これ、何色に見える?」
朝起きたら、視界に映る色がすべて少しずつ明度と彩度を落としていた。天気は快晴なのに、まるで大雨の日のように。
「え? ……はっきりくっきり黄色だけど。なに、お兄ちゃんまだ寝てる?」
手近に掴んだパーカーの色も判然とせず、今自分が何色を着ているのかちゃぶ台の斜め前に座る妹に尋ねると呆れたようにそう返され、咄嗟に取り繕う言葉を選んでしまう。どうこたえるのが正解だろう。
11565空の青も山の緑も、夏はすべての色が濃い。なのに、俺の視界にあるのは白と黒と濃淡。グレースケールの世界。
あれ、と思った時にはもう、俺の視界は特定の色しか捉えられなくなっていた。
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「――……月日、これ、何色に見える?」
朝起きたら、視界に映る色がすべて少しずつ明度と彩度を落としていた。天気は快晴なのに、まるで大雨の日のように。
「え? ……はっきりくっきり黄色だけど。なに、お兄ちゃんまだ寝てる?」
手近に掴んだパーカーの色も判然とせず、今自分が何色を着ているのかちゃぶ台の斜め前に座る妹に尋ねると呆れたようにそう返され、咄嗟に取り繕う言葉を選んでしまう。どうこたえるのが正解だろう。
TANKAmore
MOURNING陽子はまだ暦が1ヶ月ずれていることに気づいていないという地味設定。ゆめでした ボツ分「まだ八月なのに金木犀が咲いている……」
いや、秋分は過ぎているのか。この宮に辿り着いたとき景麒の新しい主はそう呟いた。蓬廬宮の門をくぐり程なくして現れる丹桂宮。
「蓬山は常春ですから、花はなんであれ普段から咲いています」
「へぇ。不思議だな」
そうは言うが驚いた風でもない、どこか平坦な声音からなにも読み取ることができなくて景麒は粛々と後に従う。女仙たちが新たな王を迎え華やいでいる様子を遠い景色のように感じた。口々に告げられる、お慶びを、の言葉に戸惑っている若い主。赤髪があまりに鮮やかで目に焼きつきそうだった。
王のそばにあることは確かな幸福であるのに、どうにも落ち着かない。
その理由は分かっている。
1820いや、秋分は過ぎているのか。この宮に辿り着いたとき景麒の新しい主はそう呟いた。蓬廬宮の門をくぐり程なくして現れる丹桂宮。
「蓬山は常春ですから、花はなんであれ普段から咲いています」
「へぇ。不思議だな」
そうは言うが驚いた風でもない、どこか平坦な声音からなにも読み取ることができなくて景麒は粛々と後に従う。女仙たちが新たな王を迎え華やいでいる様子を遠い景色のように感じた。口々に告げられる、お慶びを、の言葉に戸惑っている若い主。赤髪があまりに鮮やかで目に焼きつきそうだった。
王のそばにあることは確かな幸福であるのに、どうにも落ち着かない。
その理由は分かっている。
みすみ
MOURNINGアダ暦未満。❤️さんが、🌺くんを壊そうとする話。
あまり書かない方向のお話しなので、続きません。
そのうち消すかも……。
夢の話。 雨が、降っている。
見慣れた山道に、自分は佇んでいる。
夜の山道は暗く、降り続ける大粒の雨で視界は悪い。
何度も滑った道の途中で、ただ一人、立ち尽くしている。
ーー違う。
仮面で狭まっている視界が、急に開ける。その先に、人が倒れていた。
黒い学ランに、鮮やかな色のパーカー。暗がりの中でも映える赤毛が、雨に濡れてやけに艶めいて見える。力なく投げ出された手のひらは、静かに雨を受け止めるだけだ。
普段なら強い感情を向けてくる琥珀色の目は、硝子玉のように虚ろに、ただ空を見上げている。
側に落ちたスケートのウィールが空回りする音が、雨音に紛れて聞こえてくる。
少年の体から赤いものがじわりと滲んで、雨で濡れた地面に溶け出していく。
3211見慣れた山道に、自分は佇んでいる。
夜の山道は暗く、降り続ける大粒の雨で視界は悪い。
何度も滑った道の途中で、ただ一人、立ち尽くしている。
ーー違う。
仮面で狭まっている視界が、急に開ける。その先に、人が倒れていた。
黒い学ランに、鮮やかな色のパーカー。暗がりの中でも映える赤毛が、雨に濡れてやけに艶めいて見える。力なく投げ出された手のひらは、静かに雨を受け止めるだけだ。
普段なら強い感情を向けてくる琥珀色の目は、硝子玉のように虚ろに、ただ空を見上げている。
側に落ちたスケートのウィールが空回りする音が、雨音に紛れて聞こえてくる。
少年の体から赤いものがじわりと滲んで、雨で濡れた地面に溶け出していく。
iku_oo6
MOURNING旅行する忠暦🐍🌺を書こうとしていたやつです!ちゃんとした本にはならないけどコピー本ぐらいにはしたいな〜と思いつつ時間が経ったので一旦載せちゃいます🤔いつもと違う海を見て「なあ、忠さんの行きたいカキゴヤ?ってどこにあんの」
「ナビの言うことを信じるならこの近くにあるはずなんだが……」
那覇空港から飛行機に乗った後、電車や特急をいくつか乗り継いだ先でレンタカーを借り、二人は忠が行きたがっていた牡蠣小屋へ向かおうとしている。
珍しく張り切っている忠が事前に予約していたらしいそこへの行き方をスマホで調べ、レンタカー備え付けのカーナビにも目的地設定をする程の気合の入れようだった。
だが、土地勘がない上にあまり大きいとは言えない建物を探すのは運転慣れしている忠にも大変だったようで先程から似たところをぐるぐると回っている状況に陥ってしまっていた。
「まだ予約の時間まではあるんだが、本当にここで合ってるのか……?」
1670「ナビの言うことを信じるならこの近くにあるはずなんだが……」
那覇空港から飛行機に乗った後、電車や特急をいくつか乗り継いだ先でレンタカーを借り、二人は忠が行きたがっていた牡蠣小屋へ向かおうとしている。
珍しく張り切っている忠が事前に予約していたらしいそこへの行き方をスマホで調べ、レンタカー備え付けのカーナビにも目的地設定をする程の気合の入れようだった。
だが、土地勘がない上にあまり大きいとは言えない建物を探すのは運転慣れしている忠にも大変だったようで先程から似たところをぐるぐると回っている状況に陥ってしまっていた。
「まだ予約の時間まではあるんだが、本当にここで合ってるのか……?」
反省会
MOURNING9/12アダ暦 Twitterにのせてるのと同じです!
いつも色をつけてしまうんですが、色なしも載せてみますね
見てる側としてはどっちがいいとかあるんだろうか……別に気にしないんだろうか…… 2
みすみ
DONE忠暦(未満)定食屋の看板息子🌺くんと、元・企業戦士(社畜)の🐍さん(続き)
乾いた心に、愛情いっぱい・2*沖縄そば*
日陰になっているビルの出入り口から外へ出ると、昼の日差しの眩しさに思わず目を細めた。じわりと感じる暑さに思わずため息を吐きながら、忠は足を踏み出す。
所定の休日出勤を終え、まだ日の高いうちに帰路につきながら、忠はほんの数ヶ月前の自分を思い返す。
所謂真っ黒な企業に勤め、過労死ラインを踏み越えながらも必死に働いていた頃が、もはや懐かしい。
本日は昼で終業したので、街にはこれからランチや買い物に繰り出そうとする家族連れやカップルが多く見られる。平日とは種類の違う喧騒に早くも疲労を感じながら、さてどうしたものかと考える。
休日に率先して出歩くタイプでは無いが、このまま帰宅しても昼ごはんは精々コンビニ弁当だ。折角外に出ているのなら、外食して帰るのも良いかもしれない。昼食の事を考え始めた途端に空腹を感じ始めて、我が事ながら現金なものだと苦笑した。
6250日陰になっているビルの出入り口から外へ出ると、昼の日差しの眩しさに思わず目を細めた。じわりと感じる暑さに思わずため息を吐きながら、忠は足を踏み出す。
所定の休日出勤を終え、まだ日の高いうちに帰路につきながら、忠はほんの数ヶ月前の自分を思い返す。
所謂真っ黒な企業に勤め、過労死ラインを踏み越えながらも必死に働いていた頃が、もはや懐かしい。
本日は昼で終業したので、街にはこれからランチや買い物に繰り出そうとする家族連れやカップルが多く見られる。平日とは種類の違う喧騒に早くも疲労を感じながら、さてどうしたものかと考える。
休日に率先して出歩くタイプでは無いが、このまま帰宅しても昼ごはんは精々コンビニ弁当だ。折角外に出ているのなら、外食して帰るのも良いかもしれない。昼食の事を考え始めた途端に空腹を感じ始めて、我が事ながら現金なものだと苦笑した。
七橙🧸
DOODLEマルイさんコラボのジャージ姿可愛かったので描きました🏋️♂️フード好きなので嬉しくて嬉しくて🥰暦くん常にフード服みたいなところあるので毎回描くの楽し〜〜〜🥳ってなってるんですけどランガくんは珍しいので、ね…!!!(大興奮)クレープ絵も描きたいし…SK∞くん新規絵出過ぎです(ありがとうございます!!!) @nnto_sk8
2021.9.10 3
150ml_2min
DONEアダ暦❄のいない夏、つかの間の友達ができたり、ふんわりアダ暦になる話です。❄くんとの親愛描写があります。
暦は難しい数式や、英単語、いつ使うかも分からない昔の言葉を詰め込んだ頭も、テストが終了したことで解放された。その代わりに、頭はスケートのことで埋め尽くされた。テストだからと抑えていたスケートも、これからは夏休みだから存分に楽しめると楽しみにしていたところに、ランガの一言は衝撃だった。
「俺、この夏は一週間か二週間カナダに行くんだ。母さんと一緒に」
暦も良ければどうかな、と力強い日差しとは比べ程にならない、優しい声で誘われた。カナダ。ランガからときおり聞くその言葉は、暦から想像もつかなかった。海のさらに海の彼方にあって、きっと沖縄よりも涼しい、ランガの育った土地。
興味はあったけれども今回は、ランガの父とゆっくり過ごしてほしかった。ランガはこの地に来てから、ずっと暦がいたし、友達や仲間もいて騒がしい生活だっただろう。ランガの父に思いを馳せる暇もなかったのかもしれない。家族水入らずの、穏やかな生活を送ってくれたらいいと願った。
12087「俺、この夏は一週間か二週間カナダに行くんだ。母さんと一緒に」
暦も良ければどうかな、と力強い日差しとは比べ程にならない、優しい声で誘われた。カナダ。ランガからときおり聞くその言葉は、暦から想像もつかなかった。海のさらに海の彼方にあって、きっと沖縄よりも涼しい、ランガの育った土地。
興味はあったけれども今回は、ランガの父とゆっくり過ごしてほしかった。ランガはこの地に来てから、ずっと暦がいたし、友達や仲間もいて騒がしい生活だっただろう。ランガの父に思いを馳せる暇もなかったのかもしれない。家族水入らずの、穏やかな生活を送ってくれたらいいと願った。
HASITAのらくがき置き
DOODLEパンフレットが届いて我慢たまらず。愛抱夢から暦!に!表に穴!!胸元に穴!!!愛抱夢と裏表で対になるやんけ!!!愛抱夢による暦っぱいむき出し供給ホントに本当にほんっっっっっとうにありがとうございます……アダ暦だいしゅき…… 2
nika
DONE「暦、ランガを捜す」まだ続く。あと半分くらい。多分。
※ラン暦ラン、忠愛忠前提です。
https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1144255&TD=4937778
↑「ランガ、忠とお話する」の続き。 4
コナギ
MOURNING忠暦ハマりたての頃に描いてたんだけどあまりに恥ずかしくて載せられなかった……手の大きさミスって拡大したら当然荒くなってしまってもう取り返しがつかなくなり……頭の双葉もないしもうだめなのよ……みすみ
CAN’T MAKE忠暦(未満)※定食屋の看板息子🌺くんと、限界を迎えた企業戦士(社畜)の🐍さんパロ
乾いた心に、愛情いっぱい がらり、温かさを感じる灯りの漏れる横開きのガラス戸を開くと、ふわりと食欲をそそる匂いが忠の鼻腔を擽った。
「いらっしゃいませー」
出迎えた明るい声に小さく会釈を返すと、勝手知ったるとばかりに空いた席に座る。あまり広くはない店内の、一番端のテーブル席。向かいの椅子に書類とPCで厚みを増した鞄を置くと、壁側の椅子に座る。特にこだわりがあるつもりはないが、空いている時はいつもこの席に座る。なんとなく、落ち着くのだ。
「ご注文は?」
人懐こい笑顔を浮かべた少年が、水の入ったコップとおしぼりを手に聞いてくるのを見て、空腹を感じながら口を開いた。
「……いつもので」
******
元々、捌いても捌き切れない量の仕事を、過労死ラインを越えるのも気にせずに必死にこなしていた真っ黒な勤め先で、労働改革という余計なお世話でしかないキャンペーンが突然開始された結果、指定された退社時間まで粘っても終わらない仕事を持ち帰り、帰宅してもひたすら仕事をする日々が始まった。
6918「いらっしゃいませー」
出迎えた明るい声に小さく会釈を返すと、勝手知ったるとばかりに空いた席に座る。あまり広くはない店内の、一番端のテーブル席。向かいの椅子に書類とPCで厚みを増した鞄を置くと、壁側の椅子に座る。特にこだわりがあるつもりはないが、空いている時はいつもこの席に座る。なんとなく、落ち着くのだ。
「ご注文は?」
人懐こい笑顔を浮かべた少年が、水の入ったコップとおしぼりを手に聞いてくるのを見て、空腹を感じながら口を開いた。
「……いつもので」
******
元々、捌いても捌き切れない量の仕事を、過労死ラインを越えるのも気にせずに必死にこなしていた真っ黒な勤め先で、労働改革という余計なお世話でしかないキャンペーンが突然開始された結果、指定された退社時間まで粘っても終わらない仕事を持ち帰り、帰宅してもひたすら仕事をする日々が始まった。