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    漫画家

    陽炎@ポイピク

    TRAINING漫画家だって恋がしたい!人間必ずしもスランプに陥る事がある。
    「どうしよう、オレ、どうすれば……?」
    何も描かれて無い真っ白な原稿用紙を前にオレは頭を抱えていた。
    漫画のネタすら何も浮かぶ行き詰まったオレはアイディア帳を見返した。連載中の『ザ・グレイトフル・デッド』は老化能力を持った暗殺者が主人公のダークヒーローもの。
    けれど、毎回同じようなパターンの展開では読者を飽きさせてしまう。勿論警察に追われる物語だって描いた。
    そん時は主人公が自分自身を老化させる事でピンチを逃れるストーリーにしたけれど、そうそう幾度も使う訳にはいかねぇ。オレは四畳半の部屋で机に突っ伏すしかなかった。
    「おいペッシ」
    急に後ろから聞き慣れた声がしてビビる。
    「うぎゃあ!?あっ、兄貴!?驚かさねぇで下さいよッ!」
    プロシュート兄貴は悪びれた様子もなく答えた。
    「あ?オレはお前を心配して来たってのにインターホン鳴らしても反応ねぇから勝手に上がったんだぞ」
    ったく、プロシュート兄貴ったらよ~。そういう所あるよなー。
    プロシュート兄貴はオレの担当編集者だ。
    コワモテだけどモデルみてぇな人でかつて漫画家を目指してたらしい。デビューしたばかり 2334

    陽炎@ポイピク

    TRAINING『漫画家だって恋がしたい!』
    不定期連載編集者兄貴×漫画家ペッシ
    何でも許せる人だけ読んで下さい……
    「そら、タイ曲がってんぞ」
    小さな姿見の前でオレの背後から輝を回し蝶ネクタイを直す兄貴に本当に世話好きだなぁと内心呟く。
    編集者ってもっお面倒な性格だという先入観もあったけれど兄貴はオレへ弟のように接してくる。
    「兄貴ィ、やっぱり変だよぉ。オレにはちゃんとした格好ニ似合わねぇよぉ」
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。これからオメーは新人賞の授賞式に行く。ダセェ服着ていく訳にはいかねぇだろ?」
    そんな事言われてもオレは未だに実感が湧かねぇ。
    オレが描き上げた新作漫画はあれよという間に連載が決まり新人賞を獲得しちまったんだ。
    「オレ、未だに夢見てるような気分だ」
    「ハン、新人賞なんてまだまだ栄光への第一歩だぜペッシ。オレ達は更に上を目指さなきゃならねぇ」
    ぽんと両肩へ手を置かれてオレは改めて身が引き締まる。
    兄貴は不思議だ。言葉だけで自分に自信のねぇ気弱なオレを鼓舞してくれるんだから。
    受賞パーティーはとあるホテルの会場だった。四畳半のボロアパートとは違って煌びやかな世界。
    オレはそんな空間に来てしまい場違い感でくらくらしそうだった。
    「おいおい、こんな所でぶっ倒れるなよ」
    さり気なく支 1840

    陽炎@ポイピク

    BLANK編集者兄貴×漫画家ペッシ
    そららさんからネタだけお借りしました
    この場でお礼を申し上げます
    オレはペッシ。最近デビューしたばかりの新人漫画家だ(ペッシというのはペンネームだけど)。オレは今白紙のままの原稿用紙を前に頭を抱えて唸っていた。
    そういう時に限ってインターホンが鳴る。
    ピンポーン。……ほら、やっぱり。
    渋々四畳半の部屋から玄関へと向かって扉を開けると見目麗しい男が立っていた。
    「よう、進捗具合を見に来たぜ」
    このモデルのような出で立ちの人はオレの担当編集者だ。
    「タイミング悪過ぎやしませんか?兄貴」
    兄貴と呼べと言われてるからそう呼んでるけど本名は聞いた事がない。兄貴は悪びれもせずずかずかと机へ近付くと原稿用紙を覗き込んだ。
    「ハン、まだ下書きすらしてねぇのか?」
    一瞬眉を寄せながらも次の瞬間には吹き出した兄貴にオレはぽかんとした。
    編集者ってもっと怖い存在だと思っていた。
    幼い頃から漫画を読むのが好きでいつしか漫画を描きたいと漫画家を目指してきたオレ。
    でも漫画家のエピソードは大抵編集者との確執とかそういうのばっかりで、漫画家デビューしたら編集者にドヤされながらネームを進めたりするんだろうなと考えていた。
    だから初めて兄貴と会った時もオレはビビってオドオドした態度で 1399