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    片思い

    桃本まゆこ

    TRAINING沢深だけど沢が影も形も出てきません。深に片思いするモブ女の一人語り。苦手な方はごめんなさい。
    モブの名前は山内恵令奈ちゃん。ほんとに何となく付けただけですので、もし同姓同名の方がいらっしゃってこの名前は嫌だ!とかあったら教えてください。すぐ変えます!
    金木犀/ひとりよがりの恋金木犀/ひとりよがりの恋

     私の好きな人は、ちょっと変わっている。マイペースで、いつもぼーっとしてて、無表情で、口を開けばピョンピョン言っている。バスケ部の特待生で、高校の頃は全国で一番バスケが強い学校のキャプテンだったらしい。
     背が高くて、いつも変な寝癖がついてて、手のひらが大きくて、いつもスエットやジャージ姿で全然おしゃれじゃなくって、優しくて、笑顔が可愛い。私の好きな人。


    「深津くん、おはよー」
    「山内さん。おはようピョン」
    「あはは! おはようピョン~」
     教室の隅にいる深津くんに駆け寄って、一つ離れた隣の席に腰を下ろした。月曜一限の授業なんて真面目に来ている学生はほとんどいない。教室の座席はガラガラだ。平日は毎日バスケ部の朝練があるらしく、深津くんは一限の授業も余裕なのだという。私はなんとか深津くんと同じ授業を取るのに必死で早起きしているっていうのに。
    6030

    まぎー

    DONE生存ifの更にif、もし首の跡を見られていたら
    両片思いになった後あたり
    お遊びで書いたやつです
    無題「ジーザス」

    ユダに名前を呼ばれても、ジーザスは子供のように泣きじゃくるのを止められなかった。床の上で、ユダの腕の中に抱き止められるようにして座り込んでいた。ユダの両手が、痛いくらいにしっかりとジーザスの肩を抱えている。必死に顔を覗き込もうとされるが、ジーザスはいやいやと顔を横に振り続けていた。床の上に落ちたユダのスカーフを見つめることしかできなかった。ユダの首を、そこに残る跡を、直視できなかった。

    「ジーザス」

    ユダが、苦しそうにもう一度ジーザスの名を呼んだ。髪を何度も撫でられ、あやすように体を揺らされる。

    「泣かないでくれ」

    掠れた小さな声で、懇願するように囁かれた。

    「頼む」

    ユダが絞り出すようにそう言ったかと思うと、こめかみに、温かく柔らかい何かが触れた。唇を落とされたのだ、と気が付くと同時に、髪に、額に、頬にと立て続けに口付けられた。泣いているジーザスを見るのが堪らないのだという気持ちが伝わってきて、ジーザスは胸が掻きむしられたように切なくなる。思わず、目を閉じて顔を上に向ける。目尻にキスをされて、唇で涙を拭われているような気持ちになる。ユダの湿った、温かい息がジーザスの顔を掠める。その温もりを、ジーザスは咄嗟に追いかける。
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