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    r_tos_ss

    MOURNING今までだったら絶対浮気してる場面で無意識に日向をとって浮気しない侑を書きたかったんですが思ったより甘くならなかったので倉庫行きです

    モブ、最初はもっと食えない女だったんですがあまりにも胸糞すぎて改めた(改めてこれ)
    喉が渇いて、目が覚めた。いつもより固い質感のシーツが肌に触れて、違和感にぱちりと目を開ける。
    「……?」
     見覚えのない天井。辺りを見回すとやはり知らない部屋の中で、心臓がざわめき始める。だって、どう見たって、ホテルの一室なのだ。昨日はテレビ番組の収録があって、少人数で打ち上げをして、それから――? あかん、覚えてへん。記憶の糸を辿りながら、ご丁寧に目立ちやすくテーブルの上に置かれたスマートフォンに目がいった。せや、今何時――画面をつけて、時が止まる。ロックを解除しないままに撮影されたであろう写真を、無情にも画面はちかちかと照らしている。そこに映っていたのは、気の抜けた顔で眠る侑と、いかにも侑好みな金髪の女性の自撮り写真だった。

    「なに、あれ」
    「浮気したんだって」
    「は? 日向が?」
    「そんなわけないじゃん! ツムツムの方!」
     無遠慮な大声を咎める気力もない。気まずそうな日向と、ずんと沈んだ侑の姿は、佐久佐の誤解にもチームメイトが頷ける光景だった。
     足早にホテルを出て、寮へと急ぎ帰った。あんなに渇いていた喉は気にもならなくて、早朝の道を駆ける。それなのに、目的地に近づくにつれ渇 3305

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    DONEファウスト先生が呪屋の仕事をするお話。
    モブがいっぱい出てくるし胸糞の悪い話なのでご注意。
    私だって先生がお仕事してる姿を書いてみたかったんです。
    『真夏の夜の夢』

     あれから、どのくらいの間彷徨い続けて来たかわからない。
     ただ昔馴染みから「嵐の谷に行くといい。あそこには腕のいい呪屋がいるから」と声を掛けられたのだけを覚えている。
     男はその言葉だけを頼りに自我を保っていた。その一筋の希望がなければ、とっくの昔に彼は憎しみに我を忘れ。怪物にでも成り果てて居ただろう。
     呪屋が住むと言うその場所は。
     その名に反してひどく穏やかで、暖かかった。

    「とにかく何か口にしなさい」
     全身黒ずくめの呪屋は、まるで客が来るのがわかって居たかのようだった。
     待ち兼ねるように小屋の扉の前で自分を迎え、招かれるまま椅子に付くと。爽やかな琥珀色の飲み物をすすめられた。机の上にはオートミールのクッキーまで置いてある。
     久しく嗅いでいなかった日常の匂いに、少しばかり心が凪いでいく。
    「そういえば暫く何も口にして居ませんでした」
    「魔法使いとはいえ絶食は良くないな。粥でも拵えてやろうか?」
    「…、いえ。結構です」
     クッキーを口に含み水分で唇を潤すと、ようやっと自分が何をしにここにやって来たのか分かってきた。
     そうだった、自分は誰かを呪いたくて 3231