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    縁側

    k_hizashino

    DONE恋愛関係じゃないんだけど長い付き合いでやたら距離感の近い大般若と主。今日ふっとみたらいつも凛々しい姿の主が縁側で大般若にもたれかかってうたた寝をしていた。お互いの選んだ関係がどうあれ、大般若のそばでならあんな風に安心できるのならそれは喜ばしいことだ。みたいな本丸の刀による日記。
    残鐘「今日は主も大般若も仕事が立て込んでいるようでお互いに顔をあわせてはいなかった。だがそれを気にしている様子もなく、滞りなく仕事をしていた。あの二方は仲が良く、それとなく二方でいるところを見かけるのでそうでないときはむしろこちらが気忙しく思ってしまう」

    「主は色恋を好まぬ方であった。ゆえに大般若があの宴の最中に自分が主に恋慕していると告げた時はヒヤリとしたものだ。そう告げず傍に仕えるのみでよしとしようとする刀たちも数は少なくなかった。あの豪気さはあの刀があの刀たる所以だろうか」

    「あるいは思いつめてもいたのかもしれない。実際思いを告げたあと、主がそれを断ってからはふさぎ込んでいたし、自身を折ってほしいとも進言したと聞く。主は刀を大切にされる方であったからもちろんそれを断った。どんな思いなら受け取ってくれるのか、大般若は問うた」
    1862

    え・ぶん:さとう との

    MOURNINGやることやってんのに付き合うとかそういう発想がない炭善(R指定付けるほどのことはない)

    蝶屋敷で療養中のモブが夜寝付けず部屋を出たところ、廊下の向こう、縁側の方から微かに苦しげな声が聞こえた。心配になり駆けつけたモブが見たものは、炭善がいたしているところだった。抱き合った状態で固まる二人。予想外すぎる事態にテンパったモブは咄嗟にお邪魔しました〜と言い早足でその場を去ったのだった。(導入)
    部屋に戻り布団に潜り込んだ。あの二人、名前は竈門と我妻と言っただろうか、今年入隊した隊士だ。直接話したことは無いが何かと派手なので記憶にはある。それにしても何がどうしてあんなことに…うん、夢かな?夢かもしれないな。よし、寝よう。考えるのを止めると先程まで寝付けなかったのが嘘のようにスッと意識が遠のいた。人はこれを現実逃避と言う。

    次の日の朝、件の二人は揃って俺の元にやって来た。顔を合わせた瞬間から謝りに謝られ、大きな声でする話でもないので適当な所で二人を落ち着かせる。まあそのなんだ、俺のことはともかく、ああいう誰が通るか分からない場所でコトに及ぶのはよろしくないと思う。そもそも療養施設だしな、ここ。大いに反省してくれ。
    そこで我妻が、気まずげな顔をしながらもモソモソと何事かを口にする。

    「…炭治郎が、人が来たら匂いで分かるとか言うから…」

    そういえば、風の噂でこいつらはそれぞれ鼻と耳が異常に良いと聞いたことを思い出す。まあ分かるからいいとかそういう問題ではないのだが。

    「ごめん…途中から善逸の匂いで頭が一杯になってしまって…でもまさかすぐ側に人が来るまで気付かないとは…不甲斐な 1632