金色のコルダ
pagupagu14
DONE好きな女の子が自分好みのファッションしてきてノックアウトされる男が好きなのでそんな成宮の成唯。男子高校生してる成宮が好きです未来の自分の背を押して 「あれっ、成宮出かけるのか?」
「えっ、はい…まあ」
「やっぱり!?なんかいつもよりめかし込んでるな〜って思ったんだ」
そう言って笑う赤羽さんにバレてしまうものなのか…と内心驚いてしまう。
「ってことは誰かと待ち合わせ?」
「はい。そうなんです」
そうしてチラリと腕時計に視線を向けた時だった。
「ごっ、ごめんごめんごめん!成宮くん、ほんっっっと、ごめん!」
ばたばたと慌ただしい様子で現れた待ち人の朝日奈先輩。そんな様子で来てくれただけで嬉しいのにその格好にまた俺は子供みたいに喜んでしまう。
甘めの花柄のワンピース。
丈も膝丈ほどで、その上からGジャンを羽織っている。
朝日奈先輩らしさを醸し出している赤いラインの入ったスニーカー。
1081「えっ、はい…まあ」
「やっぱり!?なんかいつもよりめかし込んでるな〜って思ったんだ」
そう言って笑う赤羽さんにバレてしまうものなのか…と内心驚いてしまう。
「ってことは誰かと待ち合わせ?」
「はい。そうなんです」
そうしてチラリと腕時計に視線を向けた時だった。
「ごっ、ごめんごめんごめん!成宮くん、ほんっっっと、ごめん!」
ばたばたと慌ただしい様子で現れた待ち人の朝日奈先輩。そんな様子で来てくれただけで嬉しいのにその格好にまた俺は子供みたいに喜んでしまう。
甘めの花柄のワンピース。
丈も膝丈ほどで、その上からGジャンを羽織っている。
朝日奈先輩らしさを醸し出している赤いラインの入ったスニーカー。
隅幸(すみゆき)
DOODLE『金色のコルダ オクターヴ』発売3周年おめでとうございます!!!(2月14日)(謎のリボン)ヾ(*´∀`*)ノシ久しぶりにイベントを見返して、良い雰囲気でも「貴様」を連呼する冥加部長にじわじわ来てる。
kurou_mh
DONEお題を頂いて描きました。金色のコルダ2ffの加地葵くんです。
髪の毛柔らかそうな人だなぁ~…って感じで描きました。
そして、出来心で後光を差してみる←
「あ、何か少女漫画の王子様っぽい!」
と、若干テンションが上がりました。 2
yui_ame_o
DONE7章の京都組+朝日奈傘を忘れた朝日奈に貸してやる浮葉。
東京へ向かう新幹線の中の大我と浮葉。
弟子への想い。
地獄に降る雨「今日は、これで仕舞いといたしましょう」
やわらかな声が、けれど有無を言わさずにひとつ線を引く。
浮葉と源一郎の三人で練習や街頭演奏をするとき、たいていは彼のこの一言で終わりになった。源一郎が異を唱えるはずもなく、朝日奈ひとりがすこし物足りない顔をするのが最近のお約束となっていた。
この言葉を聞くたび、浮葉はスタオケの仲間ではないのだと思い出させられている気がして、朝日奈の胸の奥にある焦燥が鳴りを大きくするのだ。
「もう……ですか?」
「ふふ、名残を惜しむあなたはいとけなくて、私にできるすべてをしてあげたくなるようだ」
冗談とも本気ともつかない微笑みも、わずかに低められた声も、あわい甘さをまとっている。彼の庭で大輪の花を見せてもらったときに香ったあの、あるかなきかのほのかな甘さともすこし似ていた。月夜に香る寒牡丹――見たこともない光景が朝日奈の心に浮かぶ。きっと、彼のこの声と同じように静かに心の奥深くへ染みわたり、蕩けさせるのだろう。
3831やわらかな声が、けれど有無を言わさずにひとつ線を引く。
浮葉と源一郎の三人で練習や街頭演奏をするとき、たいていは彼のこの一言で終わりになった。源一郎が異を唱えるはずもなく、朝日奈ひとりがすこし物足りない顔をするのが最近のお約束となっていた。
この言葉を聞くたび、浮葉はスタオケの仲間ではないのだと思い出させられている気がして、朝日奈の胸の奥にある焦燥が鳴りを大きくするのだ。
「もう……ですか?」
「ふふ、名残を惜しむあなたはいとけなくて、私にできるすべてをしてあげたくなるようだ」
冗談とも本気ともつかない微笑みも、わずかに低められた声も、あわい甘さをまとっている。彼の庭で大輪の花を見せてもらったときに香ったあの、あるかなきかのほのかな甘さともすこし似ていた。月夜に香る寒牡丹――見たこともない光景が朝日奈の心に浮かぶ。きっと、彼のこの声と同じように静かに心の奥深くへ染みわたり、蕩けさせるのだろう。
yui_ame_o
DONE夏の京都主従2夏の用事の帰り道、源一郎を案じる浮葉。
秋の別れ。
強いひと 暑い日だった。
日中の最高気温は四十度に達する見込みだと朝のニュースで耳にしたのを思い出し、源一郎はわずかに眉をひそめて視線を上へ向けた。
遠くにそびえたつ入道雲は新雪のように輝いているのに、頭上にたたえられた空は海のように涼やかなのに、照りつける陽ざしはじりじりと肌を焦がしていく。その熱を、まとわりつく湿気が封じこめて逃さない。
浮葉から持つように言いつかった風呂敷包みの重みは、普段なら気にならないていどのものだ。けれどこの暑さのなかではしだいに煩わしくなってくる。それでも、いや、それだからこそ源一郎は大切に腕に抱えなおした。
以前は御門家と懇意にしていた家からの、返却物だった。衣純が存命の頃、なにかの催し物で使いたいといわれて器を貸したことがあったのだという。送ってもらえば良いのではないか、先方から届けてもらえば良いのではないか、と思うが、そうもいかないらしい。
4092日中の最高気温は四十度に達する見込みだと朝のニュースで耳にしたのを思い出し、源一郎はわずかに眉をひそめて視線を上へ向けた。
遠くにそびえたつ入道雲は新雪のように輝いているのに、頭上にたたえられた空は海のように涼やかなのに、照りつける陽ざしはじりじりと肌を焦がしていく。その熱を、まとわりつく湿気が封じこめて逃さない。
浮葉から持つように言いつかった風呂敷包みの重みは、普段なら気にならないていどのものだ。けれどこの暑さのなかではしだいに煩わしくなってくる。それでも、いや、それだからこそ源一郎は大切に腕に抱えなおした。
以前は御門家と懇意にしていた家からの、返却物だった。衣純が存命の頃、なにかの催し物で使いたいといわれて器を貸したことがあったのだという。送ってもらえば良いのではないか、先方から届けてもらえば良いのではないか、と思うが、そうもいかないらしい。
yui_ame_o
DONE7章の途中朝日奈が、浮葉や源一郎と練習をするようになった頃の風景
憧憬 強い風が吹いた。
ひときわつめたいその手に引かれた朝日奈の指が強張り、あいまから音がばらばらとこぼれ落ちてゆく。
やわらかく響いていたクラリネットの音が枝にとまる鳥の翼のようにゆったりと広がってから収束し、それにつき従うオーボエがさえずりを止めた。
浮葉と源一郎の視線がこちらを向く。視線を向けるときでさえ、源一郎は浮葉の後に従うことを是としているようだった。
「すこし、休憩にいたしましょう」
「すみません……」
「どうかお気になさらず。私も指が冷えてまいりました。良い頃合いでしょう」
すべてを赦すような静かな微笑みとともに浮葉は、たおやかに指を朝日奈へ伸ばす。
「どうも、あなたは紅葉に好かれるようですね」
945ひときわつめたいその手に引かれた朝日奈の指が強張り、あいまから音がばらばらとこぼれ落ちてゆく。
やわらかく響いていたクラリネットの音が枝にとまる鳥の翼のようにゆったりと広がってから収束し、それにつき従うオーボエがさえずりを止めた。
浮葉と源一郎の視線がこちらを向く。視線を向けるときでさえ、源一郎は浮葉の後に従うことを是としているようだった。
「すこし、休憩にいたしましょう」
「すみません……」
「どうかお気になさらず。私も指が冷えてまいりました。良い頃合いでしょう」
すべてを赦すような静かな微笑みとともに浮葉は、たおやかに指を朝日奈へ伸ばす。
「どうも、あなたは紅葉に好かれるようですね」
yui_ame_o
DONE夏の京都主従(7章と同じ年の夏)
そよ風の手に奏でられ、風鈴が澄んだ音をちいさく鳴らす。
広間にひとつだけ出された卓袱台の上、硝子鉢のなかの氷が軽やかな音で呼応した。
視線をやると、上座の浮葉が素麺を取るところだった。漆塗りの箸を操る指先はあいかわらず舞の一部のように優雅だ。
御門家に世話になるようになってから数えきれないほど幾度も目にしてきたが、今でも時おり、源一郎は彼の所作に見惚れることがある。日常からよろずうつくしく整えるよう細かく気を配ることが、演奏の際のあのうつくしい一音、一音に繋がっているのではないか。そんな思いをひそかに抱き、憧れながら。
食事時に一番ちいさな卓袱台ひとつきりを使うようになったのはいつ頃からだっただろう。
3218広間にひとつだけ出された卓袱台の上、硝子鉢のなかの氷が軽やかな音で呼応した。
視線をやると、上座の浮葉が素麺を取るところだった。漆塗りの箸を操る指先はあいかわらず舞の一部のように優雅だ。
御門家に世話になるようになってから数えきれないほど幾度も目にしてきたが、今でも時おり、源一郎は彼の所作に見惚れることがある。日常からよろずうつくしく整えるよう細かく気を配ることが、演奏の際のあのうつくしい一音、一音に繋がっているのではないか。そんな思いをひそかに抱き、憧れながら。
食事時に一番ちいさな卓袱台ひとつきりを使うようになったのはいつ頃からだっただろう。