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    @t_utumiiiii

    DOODLE2024春節イベの獅子舞が骨董修復士に振られる二次
    獅子の妻問い(獅子舞と骨董修復士 泥→庭) 点睛に必要な龍舞道具が行方不明になっていること、そして龍舞隊がチャイナタウンへ戻ってきた理由も、それらの道具が偶然にもこのチャイナタウンに流れ着いたことを耳にしたからだということを知り、本業である骨董の修復を行いつつ、龍舞隊の「龍舞名簿」に名を連ねたいという願いに協力する為、必要な道具を探すことにした骨董修復士は、何かと為すべきことが多い中で手が足りていない状況から必然的に、店を閉めてからも作業台に灯りを灯したままにして、作業を続けることが多くなっていた。
     その日も、「ガタン」と戸口から聞こえて来た音(猫か風が扉にぶつかったのだろう)に気を取られた彼女が顔を上げた時には、時刻は既に真夜中に入りつつある頃だった。いけない、またこんな時間まで夜更かししてしまうなんて。このところ夜更かしが続いていたから、今日こそは早く寝ようと思っていたのに。ああ、でもこの作業は、今日にも終わらせた方が、後が楽で……などと彼女がぐるぐる考えている内に、カラカラカラと引き戸が開けられていく音が続く。まさか、私ったら、鍵を閉め忘れたのかしら? 
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    @t_utumiiiii

    DOODLE白黒無常と骨董商 ※日記のないキャラクターの言動を捏造 ※ご都合荘園
    鄉誼(白黒無常と骨董商) 自らの身分を骨董商と偽った――実のところ、それは偽りと言うほどの全き嘘というものでもない。単に、彼女がそこに本腰を入れていたという程でもなく、異なる仕事を本職にしていた期間のほうが長いという話であるが――威十一は、今の彼女にとって最も大事な人を取り戻すためにその荘園を訪れた。
     気密性の高い西洋建築、吹き抜けの玄関ホールから階段を上がって、二階に支度された彼女のための客室は、取り立てて説明することもない、強いて言えば、どうにも古ぼけた印象のある洋館の一室だったが、彼女が荘園の客室で夜を過ごすようになってからしばらく経ち、試合での死人が客室の中で平然と生き返るといった、およそこの世の摂理に反して異常な荘園の生活に馴染んで来た頃のとある夜、前夜までは何もなかった夜の廊下から、梁の軋むような不気味な音が響いてくる。威は荘園主から、そして、彼女がここの玄関ホールに到達したときには既にそこにいた先客から言い渡されている夜間外出禁止のルールについて知ってはいたものの、それにしても不気味だと思い、早々にその正体を確かめるべく――よからぬ客の来訪であれば、叩き切ってやれば良い――客室のドアを開け、共用部の廊下を見回すと、消灯された廊下は、見渡す限り暗いばかり――と思ったところで、不意に「もし、そこの」と声を掛けられた。威が咄嗟に、声のした方向に彼女の武器である簫を振りかぶると、よく見ればという具合でそこに立ち上っていた、霞か霧のような具合の薄い人影は、みぞおちに良い拳が入ったという具合に呻く。
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    いっさ

    DONE駆け出し時代の隆文→宇宙のやつです
    全然カップリング未満だし、書いてる人間は骨の髄までギンミツなので宇宙くん好きにはそぐわないかもしれないし、色々注意です。
    黄色い夜 本当に今日はダルいことばっか起こる。深い溜息をついて隆文は我が身を呪った。
     そもそもの原因はバイトで急な欠員がでたせいだ。おかげで俺は居酒屋が一番盛況する金曜の夜に一人でキッチンをやらないといけなかった。ホールに入ってた女子大生も最近きた新人で、全然客をさばけていなかったから、俺はドリンクの面倒までみる必要があった。こんな日になんでヘルプが誰もみつからないんだ。もっと余裕持って人雇っとけよ。長年世話になっている雇い主の朴訥とした顔を思い浮かべ悪態をつく。ああイライラする。煙草が吸いたくてたまらない。
     文字通り息をつく間もなく働いて、閉店時間を迎えた頃には、眉間に深い皺が刻まれていた。最後の客が帰り、あとは厨房を片すだけ……と疲弊した肉体を叱咤してノロノロ元栓を確認してると「劍先輩~」と泣きそうな声で呼ばれた。嫌な予感がする、が出ていかない訳にはいかない。しぶしぶホールに出ると新人がレジの前で眉をよせ困った顔をしていた。
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