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    Kana_BoS

    DONEパフューマー倉持とプロ野l球選手御幸の出会いの話。
    原作世界線ではない、パロディーです。倉持くん好みの香りに仕上げられちゃう御幸と、倉持くんが作った香りを独占したい御幸の関係最高だなって。

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    2022.5.3 SUPER COMIC CITY 29 -day1-/スーパーウイニングショット 2022
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    【倉御倉】M2【サンプル】< 01 : Top notes >





     新しいシーズンがはじまる前の、ほのかな緊張感とゆらめく高揚感がチーム全体を包み込んでいた。昨シーズンは惜しくもあと一歩のところで逃した優勝を、今年は掴み取ってやると勇み立つ若手をコントロールしながら、周囲と共に御幸一也も今日の練習を終えた。
     高校卒業後にプロ入りをしてから、気づけば十五年が経過しようとしている。あの頃のような伸び代も、吸収力もない。いくら神経質気味に身体を管理してきても、着実に重ねていく年齢には抗いきれないものがある。その積み重ねてきた時間の分、財産として経験があり、忍耐力がある。
     そうは言っても、御幸の周囲はとても御幸が老いているようには然程感じていない者が多かった。誰よりもストイックに自己管理をして余分というものを知らない肉体と、二十代後半で時が止まった風貌とが相まって、ファンからの人気も留まることを知らない。選手だって、コーチ陣だって、まだまだ御幸の活躍に期待をしていた。
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