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    おはずかしい

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    POIPOI 31

    ngw

    DOODLE現パロオンリー用の展示です。捏造しかないです。
    大学生ネロ×吸血鬼ファウスト。
    全年齢の軽いギャグコメディです。お好きな方はよろしくお願いします!
    注意:ファウが嘔吐します。お気をつけください。そして、フィガロに対してめっちゃ弟子です。

    読んだよ!とか、一言もらえるととても喜びます😂
    https://odaibako.net/u/nigawam
    狭いけどゆっくりしてってよ 生まれてこの方見舞われたことのないほどの空腹を感じながら、僕は夕暮れの街を飛んでいた。
     何の変哲もない住宅街はオレンジ色に染まって輝いている。コウモリの飛翔はもともと安定しているとは言い難いが、力が入らなくていつも以上に上下左右にぶれてしまう。エネルギー切れで目がかすみ、真下の道路を走る選挙カーのウグイス嬢の大音量の囀りが頭痛を誘っていて、いよいよ絶体絶命であることを悟る。そろそろ何かを食べなければ。だがこの街には食べるものがない。回らぬ頭で、なんとか垂直落下は避け、手近なところにあったマンションのベランダに飛び込む。誰かが住んでいる部屋のベランダだといいが、空室だったら、本当にもう終わりかもしれない。誰かがやってくることを祈りながら、僕は物音を立ててベランダの冷たいコンクリートの上に落下した。
    16052

    ngw

    DOODLEネロファウとネロぬいとファぬいです。
    きみはコットンキャンディー「またな」
    「さようなら」
     まだまだ賑わう夜の繁華街で、僕らはごく何気なく手を振り別々の方向へつま先を向けた。また明日があるかのように。

     今朝、魔法舎の共同生活が終了した。僕は魔法舎に留まる理由はなかったので自宅に戻ることに決めていた。通り道だったこともあって、なんとなくネロと雨の街まで一緒に帰ってきて飲み屋で飲んだ。次の晩酌はいつかな、なんて軽口を叩きながら。そう、そこまではよかったのだ。そこまでは。しかし、最高のチャンスがすぐそこまで訪れていたというのに、僕はさっさと帰ってきてしまった。

     嵐の谷の自宅にたどり着いた時には日付が変わっていた。投げやりな気持ちになって、身支度もそこそこにベッドに横になって目を閉じる。今日もネロと楽しく酒を飲んだ。別れ際、ほんの少しくらいは名残惜しそうな顔をしてくれていたと思う。しかし、僕はそれをすげなく振り切って帰ってきてしまった。『またな』に『さようなら』はないだろう。『明日は雨の街の動物園に行きたい』とかなんとか言ってネロの家に泊めてくれるよう頼めば良かった。家まで行けば、ふたりきりで過ごせるし、ネロのことをもっと知ることができたかもしれないのに。だけど臆病な僕は、恥ずかしいし呆れられてしまうような気がして、どうしてもできなかったのである。
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