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    秘みつ。

    DONE凪茨♀▼惚気を聞く日和とジュン
    リクエストありがとうございました

    リク企画http://hi.mi210.com/718_22
    政略結婚:王と女王の最近王と女王の最近


    「……日和くん、どうしよう」
     凪砂くんの王室に呼ばれて、どうしたのかと思えばちいさく、興奮しながらため息をついた。
    「どうしたの? 何か悩み事? なんでもいうといいね、ぼくは凪砂くんの見方だからね……!」
    「……うん」
     王として立つ凪砂くんは孤独だけれど、強い。最近茨なんかと結婚したから疲れているんだろう。王宮は殺伐としているともっぱらの噂だ。
    「……茨、」
    「うん」
     やっぱりあの悪女を演じたがる茨のことだ。一緒に悪態をつこうと頷いた――ら。
    「……茨、とってもかわいくて……」
    「……え?」
     凪砂くんは深刻な顔でため息をついた。
    「……茨、臣下の前ではつんつんしているけれどね、私と二人きりになると、ぎゅって抱き着いたりしてくれるのがとてもかわいくて……、悪女を演じたいからそれを頑張っているのもかわいいし、たまに寝坊するときの寝顔もすごくかわいい……。この間私が小鳥に餌をあげていたの、茨は興味なさげにしてたんだけれど、私が離れたらそっと餌台を覗いてそわそわしてて……、素直に一緒に餌をあげてって言えばよかったけどそのそわそわがかわいくて思わず画家に絵にしてもらった……。かわいい茨シリーズで連作にしてもらう……。それから図書室で本を取ろうとしてうんうん背伸びしてるのもかわいい……従者にやらせればいいのに……思わずとってあげたら、『王はそんなことしません!』って顔を真っ赤にしてどっかにいっちゃって……、多分照れてた……。それから……」
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    凛花(おがわ)

    MOURNING■初期に書いたお話です。この頃のリンドウの描写は、割と弱気というか殊勝な感じですね。
    <作品メモ>
    2012年遙かなる時空の中で5風花記が発売された直後のイベントで出した「はじめから恋だった」という小説同人誌に収録しているお話です。本のタイトルは【確かに恋だった(http://have-a.chew.jp/on_me/top.html)】様のお題をお借りしたものです。
    掌の上なら懇願のキスクロスを敷かれたテーブルを挟んで、向側に座っているのは誰だったかしら?

    ふと、そんなことを考えた。

    広大な公園の中にある天井と壁の大半がガラス張りのティールームはゆったりと開放感のある空間で、存分に射し込む陽光は、まばらに置かれた観葉植物の葉をきらきらと光らせる。テーブル上でほんのりと汗をかくガラスの水差しの中は、まるで星屑を詰め込んだように大小の輝きで満たされていた。

    向かいの人物は、スッと伸びた脚を組み、手にした本を繰っている。指はほっそりと長く器用そうに見える。細い黒縁の眼鏡越しに見える瞳は長い睫毛が縁取っていた。
    第二ボタンまで緩めたシャツに紺のジャケットが良く似合って居る。
    少し見える鎖骨がいやらしくなることなく清潔感を保っているのは、育ちの良さが見てとれる姿勢とか、どこか洗練された所作のせいかもしれない。
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