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    JSP

    bksinto

    DONE前作の続き。と言うか岩融視点。
    惚気る時は正々堂々真正面からな岩膝。

    しれっとにゃんちょぎが混ざってます。
    前回→https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=109274&TD=3462205
     ――畑へと向かう道すがらの事だった。

    「――岩融さんは”美人は三日で飽きる”って言葉があるの知ってます?」
    「……む?」
     胸元へ大小幾つもの笊を抱えて、朗らかな調子で鯰尾が言う。
     彼の目線の先――かなり高い位置で、岩融は軽く眉を顰めた。
    「……いや。耳馴染みは、無いが」
    「ですよね。いや昨日、みんなで大河の再放送見てたらそんな台詞が出てきたので」
    週の半ば、昼下がり――本日の務めは夕餉に用いる食材の収穫で、共に畑へと向かう途中。ほら、と鯰尾は自身を指さし、小さく首を傾けて見せた。
    「俺達って、みんな綺麗に作られてるじゃないですか?」
    「まあ……そうだな」
    「ここで初めて顔を合わせたって相手も多いけど、付き合いの長い相手ってそれこそ数百年単位の付き合いだったりするから――飽きると言うか見慣れる、ってのは分かる気がして」
    「ああ……それは、確かに」
    「……で、それとはまた別に、岩融さんには関係なさそうだなーって、思いまして」
    「ん?」
    「確か――膝丸さんとのなれそめって岩融さんの一目惚れだったんでしょ?」
    「……有り体に言えばな」
     上目遣いに言われ、岩融は微苦笑を返す。――自分達 2542

    Lupinus

    DOODLE男さにわ×鬼丸くん(さに鬼)の現パロのようなもの第2回
    この設定https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1092520&TD=3153950のようなものの続き すけべ導入への道(まだ全年齢)
    前回(出会い編)はhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1092520&TD=3520184
    ※その後鬼退治を終えた後もなんとなく粟田口の鬼丸さんちに通うようになった主人公が、しばらくして大学の先輩の鶴さん(五回生)に三条大橋西端のカフェに誘われる回
    ※ちょっとだけシリアス
    ※全体が書かれる予定はないです

     おごりだというからついてきたものの、新作のフラペチーノでもてなされる理由がわからない。見せられるようなノートは持っていないし、学食の割引情報に詳しいわけでもないのに。
    「で、その後調子はどうなんだい?」
     鶴さんはふだんから世話になっている先輩のひとりで、このところやけに運が悪くて凹んでいるという話はした。その後髭切先輩の紹介で出会った粟田口の鬼丸さんなる人物に鬼を切ってもらった話もしたし、その鬼丸さんが鶴さんとも知り合いだったのも聞いた。
     それにしたって、お茶をしながら最近どう?なんて尋ねられたのは初めてではないだろうか。
    「え。それはその、嘘みたいによくなりましたね。電車も遅れないし自転車もパンクしないし、忘れ物もなくなって」
    「だろう? やっぱりあいつが切ってくれたんだろうさ、きみにつきまとってた鬼を」
     旧友の活躍が嬉しいのか鶴さんは無邪気に笑っている。
    「は、 3424

    kei

    DONE霊木解体(4)
    -終わり-
    前 : (https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1425184&TD=4246859)
    穏やかな口ぶり、柔かな物腰。
     風流を体現した冬清王は国主にもっとも愛された王だった。
     一歩一歩進んでくる男の足取りは、セッカの記憶の中のかつての主人そのものだ。
     享年36歳。6年前に天へ還った王がなぜここにいるのかこの場の誰も分からなかったがセッカが最初に一喝した。
    「霊木の空間だからな、俺や公主の意識を読み取って幻影を出すくらい簡単だ。足止めのつもりならやり方が古いんだよ」
    「正しい思考だ我が叡智。だけど残念。私は私だ。だが信じなくてもいい、なにせ時間がない。急がないと春玲の生命エネルギーが全て吸い上げられてしまう。現状から求められる行動を優先して欲しい」
     突然現れて場の空気を支配した男はセッカの見覚えのある礼装をばさりと翻し、長い袖を開いて4人が目指す先を指した。
    「そこが目的地点のはずだよ」
     開けた視界の先には、シロツメ公主の腕からこぼれ落ちる光の筋が収束している。
     叡智たちの求めた解体すべき構造のありかだった。
     セッカはすぐにその光の収束地点へヴィトロと走り出し用意していた術式展開をはじめた。取り残される形になったヴルムとシロツメ公主は手を繋いだまま未知の影法師、 8696

    kei

    DONE霊木解体(3)
    前 : (https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1425184&TD=4121287)
    霊木解体実行の日取りを正確に定めるのには、幽達の動きを細かに把握する必要があった。
     セッカは慈悲王従者の茉莉を追い情報を集め、ジブリールは幽達の側で彼の計画を共有した。
     幽達が代理人と妖精格を使って己に刻みつけられた誓約を書き換える計画であることを告げると、シロツメ公主は視線を落として夫の手を握りしめ、感情を吐露した。
    「彼はいつまでも私を道具扱いする」
     生き愛する人の元で自由に生きられるようになった彼女にとって、彼から向けられる視線は鋭い棘だった。
     幽達に自分が価値のある生きるべき命だと認識させたい気持ちを否定できなかった。
     手の平に残る拷問の跡が、身体中に染み付いた痛みの記憶が訴えてくる。
     彼は、霊木の妖精格という道具としてシロツメ公主を見る目をやめない。
     自由を得たシロツメ公主には耐え難い視線だった。
    「だが──ジブリールを殺すという手段を取らなかったな」
     ヴルムは握りしめられた手をもう片方の手で覆いながら妻の持つ優しさに添う言葉を続けた。
    「シロツメが賭けヴィトロが感じたように、幽達という男に、誰かを思う感情が芽生えていることは否定できなくなった」
     ヴィトロは 7395

    岩藤美流

    MOURNINGオクタ3人が風邪をひいたときに何かがあったらしい話。

    続きが書けるかわからないので。たぶん↓と同じ時空です
    https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=871428&TD=3772640
    目を覚まして思ったことは、今が何時かだ。常に起床時間には気を付けて、念のためにアラームもいくつかセットしているはずだが、この耳に届くアラーム音は一体何回目のものだろう。ひどくおもだるい体は言うことを聞かなくて、瞼さえ開けるのが辛い。うう、とうめき声を上げながらなんとか妙に思い布団を押しのけ、ベッドサイドに置いていたスマートフォンを手に取り、そのけたたましい鳴き声を止めようと画面を見たところで、アズールは悲鳴を上げた。
     もうとっくに授業の始まっている時間だ。無断遅刻、内申、モストロ・ラウンジの経営権……逃げまどうイワシの群れの如く、様々な考えがよぎった。それからその混乱が、今日が休みであるという事実を思い出すことでようやく終息する。
     安心して溜息を吐きながら、アラームを止め。それからベッドを出ようとしたところで、ぐたりと倒れ込んだ。おや、おかしい。こんな風に体に力が入らないのは、初めて陸に上がった時以来ではないだろうか。あの、とてつもない虚脱感、おまけに濡れた肌が外気に晒されて何故だかブルブル震えるものだから、人間の服を着てもしばらく人魚が三匹仲良く固まっていたのを思い出す。そういえ 5984

    nicola731

    DOODLE顕道(顕蘆)現パロ
    顕光殿がヤーさんで道満が腹心兼愛人みたいなポジの話。前回の話
    https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1112421&TD=4197
    https://twitter.com/nicola731/status/1367080549974609922?s=21 設定は上記の通り。参考文献は「デストロ246」と「来世は他人が良い」です。
    顕光は表向き、ビル屋の社長で中古車販売も手掛けていて飲食店を小規模ながらチェーン展開している、つまり実業家だった。だからその付き合いでパーティーに呼ばれることもする。人付き合いは疲れるが華やかな場は好きだ。可愛がっている自分の腹心を飾り立て、隣に侍らして来場客全員に自慢できる折角の機会が与えられる。可愛い養い子を自慢できるとなれば顕光も俄然行く気になる。秘書の呆れた視線を気にすること無く仕立屋を呼んであれこれと生地を体に当てさせて、それこそ道満が飽きてふて寝するまで注文を付ける。月一でパーティーにお呼ばれしたいくらいだった。
     反面、裏稼業の会合やら商談やらは嫌になる。駆け引きも面倒だし金勘定で一々ケチを付けてくる奴もいるので苛立つ。顕光は自分が賢い人間だとは思わないが馬鹿馬鹿しい話し合いはうんざりする。それに護衛の数は限定されるのでいつも道満を連れて行くのだが、相手方が道満を見て怯えるのもムカつく。


     今夜は嫌いな裏稼業の会合がある。顕光は行く前から嫌だったし、会場に到着してからも気分は底に落ちていた。壁の花を決め込んで、供に連れてきた道満の顔を眺めていないとやっていられない。道 1746

    ほしいも

    DONE春の猗窩煉
    ■現代パロディ
    ■高校生と教員
    >https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1360874&TD=3688620 のちょっと続きっぽい
    「─こうして思い返すと在学中の三年間、私たちは沢山の選択をしてきました。先生、家族、沢山の仲間たち…本当に、様々な人に導いて頂きました。皆さんに支えられて、留まる事なく自らを律し、正しいと信じる道を選び続けたという自負があります。そして今日、私たち第59期卒業生はこの学び舎を離れ、それぞれの夢を目指して一歩を踏み出します。辿り着くまでには、一万歩あるかもしれません。きっと、長い道のりになるでしょう。どうか、もう少しだけ私たちの背中を見守って頂けますと幸いです。─学園の益々の発展を祈念して、答辞とさせて頂きます。」
     卒業生を代表して、壇上に立つ煉󠄁獄杏寿郎がそのよく通る声で答辞を読み上げる。原稿作成から手をかけて、リハーサルの時にも同じ内容を聞いているというのに教員席からも目元を拭う姿が見られた。壇上を去る堂々としたその姿に、広い天井へ反響する拍手が手向けられる。

    *

     最後のホームルームを終えた卒業生たちが、クラスを越えて級友たちと別れを惜しんでいる。手に手に卒業アルバムと証書の入ったケースを抱え、制服の胸につけたままの花飾りがその鮮やかな赤色を揺らしていた。
     級友や後輩と談 2252