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    KKT

    氷輪(ひょうりん)

    DONE金カ夢 kkt
    十三夜の話。葡萄の話と重陽の話と、設定は一緒。たぶん。
    この二人で、一年の行事を書いたら楽しいかな、なんて思ってみたりして。
    十三夜の話一時間程残業をしてから帰ると、連絡をもらっていたとおり、彼女が食事を用意していてくれた。

    「おかえりなさい」

    彼女が部屋に来るのは一ヶ月ぶりくらいだろうか。ここ最近はお互いが忙しくて、週末は職場から近い彼女の家で過ごすことが多かった。

    「今日は栗ご飯作りました」

    肉じゃがにほうれん草のお浸し、それに栗ご飯。和食がテーブルに並ぶ。仕事が終わってから作ってくれたと思うと、ありがたさと同時に申し訳ない気持ちも浮かんでくる。いずれは一緒に住みたいとは思っているが、その時は家事の分担は決めておかないと、なんて。気が早いのは分かっているが、そんなことを考えてしまう。

    「なぁ、あれ、何?」

    美味しそうな飯も気になるが、それよりももっと気になるものがあった。椅子に座りながら、あれ、と指差す先には、花瓶に飾られたススキと積まれたお団子。今日は十五夜だったか?いや、十五夜は一ヶ月前にここでやった。その時も彼女がススキを飾って、お団子を用意していた。お酒を飲みながら月を眺め、その後は……まぁ、思い出すとにやけてしまいそうになる。
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