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    yak

    PAST2023年鯉誕、ちいコイ展示、その1。月鯉。原作軸。最終回から10年以上後、月島の軍属最後の日。
    pixivに展示しているhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19064686のエピローグにあたります(短編連作の本編はまだ終わっておりません)が、これだけで読めます。
    ことほぎ 兵舎から正門へと向かう道は、よけられた雪の中にうっすらと新たな雪の白化粧をして延びている。月島は、軍靴で浅い雪を踏みしめながら門に向かって歩いていた。門の傍から塀に沿って両側に並んでいる木はキタコブシで、兵舎を新築した当初移植した桜の木が根付かなかった代わりに植えられたものと聞いたことがある。敷地内のキタコブシは、雪の嵩は減ってきたとはいえまだ寒さ厳しいこの時期に、大きく広く伸ばした枝に多くのつぼみをつけ始めている。つぼみは微かに紅色を帯びた白色で、暮れ始めた薄暗い空と白く重なる雪の中、ほのかに温かな色を灯す。幾つものつぼみを目に映しながら、これらが開く姿をもう自分は見ないのだと思うと、不可思議にも思える感慨が腹にまた一つ積もった。兵舎に置いてあった少ない私物を今担いでいる頭陀袋の中に詰めたときも、直属の部下に最後の申し送りをしたときも、毎日通った執務室を辞したときも、兵舎の玄関を出たときも。一つずつ、腹に感慨が積もっていって、それは今やじわじわと腹の内か胸の内かを温めるようだ。
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    nukabosi

    DONEWEBオンリー「月が綺麗でしたね」用展示です。

    ※既刊の後日譚です。単独では読めません。フィ+晶♀の逆トリ「きみは世界の真ん中さ」をご覧いただいてからお読みください。
    https://www.pixiv.net/artworks/127280364

    フィガロの死に際にブラッドリーが訪問してくる話です。
    約束の果て フィガロの診療所は今も湖のそばにあった。
     人口の増えた街が交通の要所沿いに移ったこともあり、患者の受け入れはしばらく前からやめていた。今はむしろ魔力を失いつつあるフィガロ自身のための療養の場になっている。人が訪ねてくるのは大好きだったから、手紙を受け取ったり相談事を聞いたりは続けている。ルチルもミチルも毎日のように遊びに来ていた。

     春の真昼。草むらは海のように、湖面は星のようにきらめいている。その上を強い風が渡っているのだなと気づくころには、窓から花の香りがカーテンを巻き上げながら入り込み、ベッドから立ち上がれないフィガロの全身をやさしくなでた。南の精霊も変わらずフィガロのそばにいた。

     近ごろフィガロは体を休めている時間が長くなった。そんなときはこうして草原が光る面を変えながら輝きの波を届けてくるのを飽きもせず眺めていた。だからその脚にもすぐに気づいた。晴れた空気を迎えるために開け放たれた窓から割り込むにはいささか不釣り合いな黒い脚。夜みたいにきらめくよう手入れされた革靴を履く男なんて南の国にはいない。男の服に染みこんだ煙の臭いのせいで春めいた部屋の空気が乱された。異質な訪問者が白黒の髪の下から傷だらけの顔をのぞかせた。男はブラッドリー・ベインだった。
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    hirata_cya

    PROGRESS・軍事知識は無い
    ・ソドンの構造は全部嘘 ウソドン
    ・メインブリッジ→一番上
    ・サブブリッジ→真ん中あたり
    ・格納庫→一番下
    ・大佐が遊んでるだけということでお楽しみください
    冒頭部分→https://poipiku.com/7887705/11517886.html
    エピローグ(2ページ目から)
    →https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24382867
    ソドン鬼ごっこ(本編)「78番ハッチを目視確認!開放状態でありますが、侵入者の姿はなし!」
    「探せ! 第二艦橋サブブリッジの周囲を虱潰しだ! 銃座の周りもくまなく調べろ、あれだけ目立つ人だ、そう長く逃げ隠れはできん!」
     第一艦橋メインブリッジへ続くエレベータの扉は冷たく固く閉ざされている。
    「侵入者の捜索は難航しているようであります」
     エレベータホール前の警備を任命された兵士のひとりが、受話器に耳を付け、通信機から飛び込みつづける情報を端的に告げた。
    「……不気味だな」
     この場の指揮を任されている軍曹は、眉をひそめて項を掻きむしる。
     第一艦橋へ続く最短ルートはこのフロアにあるエレベータだ。
     しかし、エレベータは一度乗り込んでしまえば到着するまで逃げ場がなく、搭乗階と到着階が各フロアに表示されるため待ち伏せに遭いやすい。安全を期すならエレベータを使わず連絡通路で遠回りする選択肢を取るだろう。
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    DOODLEシリーズ:螺鈿の影
    文字化けに関する素敵ツールの存在を知り、どうしても使いたくなった2時間クオリティの短いお話です。

    文字化けさせるツール様https://tools.ikunaga.net/mojibake/
    文字化け復元ツール様
    https://tools.ikunaga.net/mojibake-restore/
    状態異常永×看病斎@文字化け版 認識阻害の状態異常に該当するという。
     マスターを庇い敵性エネミーの攻撃を受けた永倉は、帰還後早々に押し込まれた医務室にそのまま留まることを推奨されたが、 本人の希望から自室待機となった。
     とはいえ、本人が知覚する物事が現実と乖離する類の異常だ。バイタルは管制室でも注意するが、それと併せて誰かしらが彼の傍に着くこととなった。
    「縺倥c縺ゅ€∝ヵ縺檎捩縺�※繧九h」
     斎藤が手を挙げた。
    「縺贋コ御ココ蜈ア縺ッ蜷悟ョ、縺ァ縺吶b縺ョ縺ュ縲ゅ〒繧ゅ€∝密蝌ゥ縺励■繧�ァ�岼縺ァ縺吶h?」
     沖田が茶化すような笑いを零す。
    「縺ゥ縺�°縺ェ」
     彼女の言葉に、斎藤が肩を竦める。
    「閨槭>縺溯ゥア縲∝捉繧翫�險€闡峨′繧上°繧峨↑縺�↑縺ヲ髫丞�縺ィ遯ョ螻医↑蠢�慍縺ォ縺ェ繧翫◎縺�↑迥カ諷狗焚蟶ク縺倥c縺ェ縺�? 縺�*縺ィ縺�≧縺ィ縺阪�谿エ繧雁粋縺�¥繧峨>縺後ぎ繧ケ謚懊″縺ォ繧ゅ↑縺」縺ヲ濶ッ縺�°繧�」
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