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    あをあらし

    SPUR MEhttps://twitter.com/05_A3OArAsh1/status/1432557834282024963?t=MQY2V1RG0n2zEpN8bmEg_Q&s=19
    ↑のツイートを元に「褥に磔にされる話」として書いているものの、ちょうど磔にされている場面です。全編は書き終わりませんでした。
    書きかけの号さんパート抜粋→ https://privatter.net/p/8015866
    磔刑のち串刺し 審神者のそれよりも一回り、いや二回りは大きな両手が、目釘か杭かといった具合に左右の節を押さえ付け、褥へ磔にした。された方はたまったもんじゃない。十尺六分余を体現した器の、その重みの全てをたった二点に掛けられているのだ。手関節がみしりと嫌な音を立てたような気がした。掌も指もろくに持ち上がらない。こんな夜中にとんでもない無体を強いて一体どういうつもりだ、そう抗議するために睨み付けた日本号の顔は、予想だにしないものだった。雨に濡れた仔犬、といった愛嬌があればまだよかった。しかし目前に迫ったその表情は、今にも獲物に喰らいつかんと興奮を惜しげもなく発露させながら、その奥の戦慄をも晒していた。あの日本号が、血潮を滾らせた[[rb:眼 > まなこ]]が、欲望を湛えたまま怯え、戸惑い、震えているのだ。怯えたいのはこちらだ、などと無粋を思う余裕はなかった。なぜそんな顔をしているのか。たった一瞬で、審神者の頭はひとつの疑問に埋め尽くされた。その隙を、日の本一の槍が見逃すはずがなかった。
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